1級電気工事施工管理技士の過去問
平成30年度(2018年)
(旧)平成30年度 問48
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 平成30年度(2018年) 問48 (訂正依頼・報告はこちら)
光ファイバケーブルに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- マルチモード光ファイバは、シングルモード光ファイバに比べて伝送帯域が狭い。
- ケーブルピース間での接続では、主としてクロージャ内で融着接続が行われ、機器との接続を行う箇所では、簡易で短時間に着脱が可能なコネクタ接続が行われる。
- テンションメンバ等への電磁誘導対策には、ノンメタリック型の光ファイバケーブルが有効である。
- 損失測定には光ファイバに光を入射し、入射光パワーと出射光パワーの差によって損失を測定する挿入法があり、損失増加の発生位置を検出できる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.マルチモード光ファイバは、伝搬信号の歪見の影響で、シングルモード光ファイバより伝送帯域が狭くなります。
2.コネクタ接続は着脱可能な簡易接続なため機器との接続に、それ以外では、永久的な接続である融着接続が用いられます。
3.テンションメンバ等は金属導体のため電磁誘導対策が必要であり、その際、ノンメタリック光ファイバケーブルが使われます。
4.損失の測定法の1つである挿入法は、出射光パワーと入射光パワーを測定することで損失を測定する方法です。
これは損失増加の発生位置は検出できないので、4が不適切です。
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02
光ファイバーには「マルチモード」と「シングルモード」があります。シングルモードは光ファイバーのコア径を小さくすることでモードを1つにした光ファーバーです。
モードの違いによる伝搬信号の歪がないため、広帯域な特性を持ちます。
一方、マルチモードはモードの違いにより伝搬信号が歪み伝送帯域は狭くなります。
したがって、設問1は正しい記述です。
光ファーバーの接続には、融着接続とコネクタ接続があります。
コネクタ接続は繰り返し脱着が可能なので、機器との接続のようにサービスの運用や保守で切り替えが必要な接続点で使用されます。
それ以外では永久接続である融着接続が使用されます。
したがって、選択肢2は正しい記述です。
光ファイバーケーブルには敷設時にかかる張力から光ファイバーを守るためにテンションメンバーが使われ、主に鋼線が使われています。
電磁誘導対策には鋼線に代わってFRP、アラミド樹脂を使用したノンメタリック光ファイバーケーブルが使われます。
したがって、選択肢3は正しい記述です。
損失測定には挿入法、カットバック法、OTDR法(パルス試験法)があります。
挿入法は出射光パワーと入射光パワーを測定することで損失を測定するもので、損失増加の発生位置は検出できません。
検出できるのはパルス光を使うOTDR法です。
したがって、選択肢4は不適当です。
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03
光ファイバケーブルに関する問題です。
○
光ファイバの種類には、マルチモードとシングルモードがあり、マルチモードは、さらに、ステップインデックス型とグレーデッドインデックス型があります。
伝送帯域は、マルチモードが、20~4,700 MHz・kmに対し、シングルモードは、10,000 MHz・km以上です。
マルチモード・ステップインデックス型は、コア部分の屈折率が一定の構造で、建物の配線に使用されます。
マルチモード・グレーデッドインデックス型は、コア内部の屈折率がファイバ中心から外に向けて連続的に低くなる構造で、 1 km 以内の構内LANに使用されます。
シングルモード形は、コアの部分が極細で、単一モードで伝送されて、分させずに信号が伝送できます。長距離伝送、超高速伝送に使用されます。
○
光ファイバケーブルの接続は、石英系ガラスファイバで用いられる溶着接続と、ファイバ面を研磨して突き合わせて接続するコネクタ接続があります。
○
光ファイバケーブルには抗張力体のテンションメンバをケーブル内に配置して強度を確保していますが、テンションメンバやシースは金属導体であるため、誘導サージを受けます。
対策として、テンションメンバを接地するか、FRP材料の、テンションメンバとポリエチレンシースの組み合わせのノンメタリックケーブルを使用すると、誘導には有効です。
×
光の損失は、レイリー散乱を利用して、入射光に対して、光パルス試験器で、後方錯乱光の時間遅延と光パワーの測定で、光ファイバの損失が産出できます。
フレネル反射は、コネクタ接続やファイバケーブルの切断点で、コアと空気の境界面で生じる現象です。破断点では急激な屈折率の変化でフレネル反射光が生じるため、フレネル反射光を測定することで、破断位置を推定できます。
したがって、問題文は誤りです。
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