1級電気工事施工管理技士の過去問
平成30年度(2018年)
(旧)平成30年度 問54

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 平成30年度(2018年) 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄道の軌道構造に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 道床の厚さが大きいほど車両による道床振動加速度は減少し、路盤への伝達圧力は大きくなる。
  • レール鋼は、成分の炭素量が多くなるほど固さ、耐摩耗性が増すが、伸び、溶接性が低下する。
  • 線路の曲線部では、車両の中心部が内側に、端部が外側にずれることから建築限界が拡大する。
  • 最大カントは、列車が曲線中で停車しても転倒しないように安全率を考慮したものである。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.道床の厚さが大きいほど車両による振動を吸収するので道床振動加速度は減少し、路面への伝達圧力は減少します。したがって不適当です。

2.レール鋼は、成分の炭素量を多くすることで硬さや耐摩耗性を高められます。しかし、伸びや溶接性が低下してしまいます。

3.車両は走行により上下左右に動揺し、乗務員や乗客が体の一部を出すこともあります。線路構造物との接触を避けるために建築限界があります。
曲線部では車体中央部が内側に、車体両端は外側に偏るので、建築限界は拡大されます。

4.カントは外側レールを高くし、列車が安全に曲線部を走行できるようにしたものです。
カントを高くしすぎると、低速度や停車した場合に、車体の傾斜が乗客と乗員に不快感を与えたり、風の影響等が重なって車体が曲線内方に倒れるおそれがあり、このため最大カントが決められています。安全率ではありません。

参考になった数33

02

正解は、1 です。

道床とは、枕木の下に敷かれている砕石のことで、バラストとも呼びます。

バラストが厚ければ、そこで車両の振動は吸収されるため、道床振動加速度は減少すると共に、バラストの下にある路盤への伝達圧力も小さくなります。

他の、2・3・4 は正しく述べています。

参考になった数10

03

鉄道の軌道構造に関する問題です。

選択肢1. 道床の厚さが大きいほど車両による道床振動加速度は減少し、路盤への伝達圧力は大きくなる。

×

道床の厚さが大きくなるほど、道床振動加速度は減少します。

(このことは各種の実験が行われ、大学や専門家で研究され、多数の論文に掲載されています。

感覚的には減少すると思いますが、理由は説明できません。

減少する理由はそれらを参考として下さい。ネットで閲覧できます)

加速度は、路盤に伝達され、伝達圧力として、路盤に加わるため、道床振動加速度は減少すれば、伝達圧力は小さくなります

したがって、「路盤への伝達圧力は大きくなる」は誤りです。

選択肢2. レール鋼は、成分の炭素量が多くなるほど固さ、耐摩耗性が増すが、伸び、溶接性が低下する。

レール鋼の材料は、鉄鋼で、鉄鋼は、炭素量が多くなると、硬さが増し、耐摩耗性も増しますが、じん性が弱くなり、溶接性が低下します。

選択肢3. 線路の曲線部では、車両の中心部が内側に、端部が外側にずれることから建築限界が拡大する。

列車は、曲線部では、車両の中心部は内側軌道に、端部は外側軌道にずれるため、曲線の内外に渡って、建築限界を拡大する必要があります。

なお、建築限界とは、列車が建築物に触れたり衝突がないように安全を確保するため、車両限界が持たなければならない最小の空間です。

選択肢4. 最大カントは、列車が曲線中で停車しても転倒しないように安全率を考慮したものである。

カントは、列車が曲線部を通過するときに、曲線の外側に遠心力が働き、車両が転覆しないように、また、乗り心地が悪くならないように、外側レールを内側より高くする高低差です。

最大カントは、曲線中で車両が停止しても、内側への転覆に対して、安全性と乗り心地性から定まる最大のカント量です。

参考になった数4