1級電気工事施工管理技士の過去問
令和2年度(2020年)
午後 イ 問60

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和2年度(2020年) 午後 イ 問60 (訂正依頼・報告はこちら)

受電室における高圧受電設備の施工に関する記述として、「高圧受電設備規程」上、不適当なものはどれか。
  • A種接地工事の接地極として、大地との間の電気抵抗値が10Ωの建物の鉄骨を使用した。
  • 容量500kV・Aの変圧器一次側の開閉装置に、高圧交流負荷開閉器( LBS )を使用した。
  • 受電室には、取扱者が操作する受電室専用の分電盤を設置した。
  • 受電室の室温が過昇するおそれがないので、換気装置又は冷房装置を省略した。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

通常、A種接地工事に求められる接地極は電気抵抗値10Ω以下でなければなりません。

しかし建物の鉄骨などの金属体を鉄骨等をA種・B種の接地極として使用する場合には、より厳しく規定されており、電気抵抗値が2Ω以下の値を保っていなければなりません。

なお地中埋設の金属製水道管路を、A種・B種・C種・D種接地極として使用する場合には電気抵抗値が3Ω以下の値を保っていなければなりません。

他の2・3・4は正しく述べています。

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02

「高圧受電設備規程」上から見ての、受電室における高圧受電設備の施工に関する問題です。

選択肢1. A種接地工事の接地極として、大地との間の電気抵抗値が10Ωの建物の鉄骨を使用した。

×

 

A種接地工事は、接地極を 75 cm以上の深さに埋設し、接地線は直系 2.6 mm以上の軟銅線を用い、接地抵抗値は 10 Ω以下とします。

 

「接地極として、大地との間の電気抵抗値が10Ωの建物の鉄骨を使用」は誤りです

選択肢2. 容量500kV・Aの変圧器一次側の開閉装置に、高圧交流負荷開閉器( LBS )を使用した。

 

容量300 kV・A超過の変圧器の開閉装置には、遮断器(CB)か高圧交流負荷開閉器(LBS)が使用できます。高圧カットアウト(PC)は、容量 300 kV・A 以下でないと使用できません。

選択肢3. 受電室には、取扱者が操作する受電室専用の分電盤を設置した。

 

受電室には、受電室専用の分電盤および制御盤以外は設置できません。

ただし、取扱者が電気設備の担当者でが、操作する分電盤か制御盤であれば、設置ができます。

選択肢4. 受電室の室温が過昇するおそれがないので、換気装置又は冷房装置を省略した。

 

変圧器の発熱などで室温が上昇する恐れがある場合には、通気孔、換気装置、冷房装置を設置して防止します。

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03

「高圧受電設備規程」に関する問題です。

選択肢1. A種接地工事の接地極として、大地との間の電気抵抗値が10Ωの建物の鉄骨を使用した。

✕ 誤りです。

 

建物の鉄骨を接地極として利用する場合は、

大地との電気抵抗は2Ω以下でなければなりません。

選択肢2. 容量500kV・Aの変圧器一次側の開閉装置に、高圧交流負荷開閉器( LBS )を使用した。

〇 正しいです。

 

開閉装置には高圧カットアウトもありますが、変圧器一次側には300kVA以下でなければ

使用できません。

500kVAの場合は、遮断器又は高圧交流負荷開閉器を使用します。

選択肢3. 受電室には、取扱者が操作する受電室専用の分電盤を設置した。

〇 正しいです。

 

停電点検などに使用できる分電盤を設置します。

 

選択肢4. 受電室の室温が過昇するおそれがないので、換気装置又は冷房装置を省略した。

〇 正しいです。

 

受電室の室温が過昇するおそれがある場合は、換気装置又は冷房装置を設置します。

 

まとめ

「高圧受電設備規程」は民間規定ですが、

わが国では、電気設備の基準として、広く適用されています。

 

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