1級電気工事施工管理技士の過去問
令和2年度(2020年)
午後 イ 問61

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和2年度(2020年) 午後 イ 問61 (訂正依頼・報告はこちら)

架空送電線の架線工事に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • ACSRのニッキングを抑制するため、径の小さな金車を使用した。
  • ACSR延線中の回転を防止するため、ワイヤロープの間にスイーベルを挿入した。
  • OPGW延線中の回転を防止するため、細溝付き金車を使用した。
  • OPGWの疲労破壊を防止するため、延線後すぐに緊線した。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

ニッキングとは、ACSR(鋼心アルミより線)の素線表面に傷が発生することを言います。

架線工事の際に生じるニッキングは、金車通過回数が多いほど、押し圧力が大きいほど増加します。
そして押し圧力は金車径に反比例します。

金車径が小さければ小さいほどニッキングが増えるため1の記述は不適当です。

他の2・3・4は正しく述べています。

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02

架空送電線の架線工事に関する問題です。

選択肢1. ACSRのニッキングを抑制するため、径の小さな金車を使用した。

×

電線重量と延線張力によって電線が押しつけられて素線表面に傷がつくニッキングが起こりますが、ニッキングはACSR素線に最も多く発生し、金車通過回数が多いほど押し圧力が大きくなり、押し圧力は電線張力に比例し金車径に反比例します。そのため、金車径を大きくすればニッキングが抑制できます。

「径の小さな金車を使用した」は誤りです。

選択肢2. ACSR延線中の回転を防止するため、ワイヤロープの間にスイーベルを挿入した。

ワイヤーロープとACSR線が接続されて延線すると、互いに回転が生じるため、より戻しのためにスイーベルをACSRとワイヤロープの間に入れます。

選択肢3. OPGW延線中の回転を防止するため、細溝付き金車を使用した。

OPGW線を延線する際に、金車の細溝を通過して延線されるため、張力が押さえられてOPGWの回転が抑制されます。

選択肢4. OPGWの疲労破壊を防止するため、延線後すぐに緊線した。

緊線は電線を鉄塔のがいしに取り付ける際に緩みを調整する作業で、延線後すぐに緊線を行います。

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03

架空送電線の架線工事に関する問題です。

選択肢1. ACSRのニッキングを抑制するため、径の小さな金車を使用した。

✕ 誤りです。

 

ACSRとは、鋼心アルミより線のことです。

ニッキングとは、延線時に電線に傷がつくことを言います。

電線の傷は、金車を通過する回数がおおいほど多くなります。

したがって、径の小さな金車を使用すると、ニッキングが多くなります。

選択肢2. ACSR延線中の回転を防止するため、ワイヤロープの間にスイーベルを挿入した。

〇 正しいです。

 

スイーベルとは、ねじれ防止装置のことをいいます。

スイーベルを挿入することで、電線のねじれを緩和します。

選択肢3. OPGW延線中の回転を防止するため、細溝付き金車を使用した。

〇 正しいです。

 

OPGWとは、架空地線の内部に光ファイバーを実装したものです。

細溝付き金車を使用すると、電線の回転を防止できます。

 

選択肢4. OPGWの疲労破壊を防止するため、延線後すぐに緊線した。

〇 正しいです。

 

電線の移動による疲労破壊を防止する為に、延線後すぐにがいしなどに緊縛、固定します。

まとめ

架空送電線の架線工事に関する問題では、

あまり聞きなれない名称の器具が使用されるため、

注意が必要です。

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