1級電気工事施工管理技士の過去問
令和3年度(2021年)
午前 イ 問15

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和3年度(2021年) 午前 イ 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

三相かご形誘導電動機のY−△始動方式に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • Y結線から△結線へ切り替えるときに、大きな突入電流が流れることがある。
  • 始動時には、各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる。
  • 始動電流は、△結線で全電圧始動したときの1/3になる。
  • 始動トルクは、△結線で全電圧始動したときの1/3になる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (4件)

01

始動電流、始動トルクは、

△結線で全電圧始動したときの1/3になる。

始動電圧は、

定格電圧の1/√3の電圧が加わる。

A:(2)

参考になった数21

02

Y-Δ始動方式は、始動時には各相の固定子巻線に定格電圧の1/√3倍の電圧が加わります。

Δ結線で全電圧始動した場合、始動電流・始動トルク共に1/3に低下します。

参考になった数14

03

三相かご形誘導電動機の始動方式には、全電圧じか入れ始動方式、スターデルタ始動方式、コンドルファ始動方式、リアクトル始動方式、一次抵抗始動方式があります。

一般的には、スターデルタ始動方式の電動機がほとんどで、特別な事情があれば、他の始動方式を採用します。

三相かご形誘導電動機の始動には、最初から巻線に全電圧をかける 「全電圧じか入れ始動」 が、電動機本来の加速トルクが得られ、始動時間も短く済み、設備にかかるコストも安く済みます。

しかし、この方式では、始動時に定格の5~8倍の始動電流が発生し、異常な電圧降下の原因となります。

そのため始動時に負荷の掛からない始動法が、「Y−△始動方式」です。

この方式は、スター結線方式で始動して始動電流を軽減させ、その後、スター結線から本来のデルタ結線に切り替えて、電動機を運転する方法です。

この方式では、次のような利点と欠点があります。

 始動電流が、デルタ結線で全電圧始動時の 1/3 となり、始動時の過電流を避けることができます。

 始動トルクも、デルタ結線で全電圧始動時の 1/3 となり、始動時にトルク不足になります。

 始動時の固定子巻線の各相の電圧は、定格電圧の 1/√3 となります。

 スター結線からデルタ結線に切り替えるとき、大きな突入電流が流れることがあります。この理由は、回路を切り替えて再接続するとき、残留電圧が再接続時に、電源の位相と一致しない逆位相の場合に、過電圧で直入れ始動したことになり、大きな突入電流を発生させるからです。

選択肢1. Y結線から△結線へ切り替えるときに、大きな突入電流が流れることがある。

〇 正しいです。

解説④によります。

選択肢2. 始動時には、各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる。

× 誤りです。

始動時の電圧は、1/√3の電圧です。

選択肢3. 始動電流は、△結線で全電圧始動したときの1/3になる。

〇 正しいです。

選択肢4. 始動トルクは、△結線で全電圧始動したときの1/3になる。

〇 正しいです。

参考になった数7

04

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。

スター結線時には、固定子巻線にかかる電圧は、線間電圧=√3相電圧

すなわち、線間電圧/√3となります。そのため1/3とはなりません。

選択肢1. Y結線から△結線へ切り替えるときに、大きな突入電流が流れることがある。

適当です。

選択肢2. 始動時には、各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる。

不適当です。

選択肢3. 始動電流は、△結線で全電圧始動したときの1/3になる。

適当です。

選択肢4. 始動トルクは、△結線で全電圧始動したときの1/3になる。

適当です。

参考になった数3