1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 ロ 問16

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 ロ 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

水力発電に用いる水車に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • フランシス水車には、ランナの出口から放水面までの接続管として、吸出し管が設置される。
  • フランシス水車では、最高効率はペルトン水車よりも優れているが、軽負荷時に効率が低下する。
  • ペルトン水車のノズル内には、負荷に応じて使用流量を調整するためのニードル弁が設けられる。
  • ペルトン水車は、フランシス水車と比較して、高落差での比速度を大きくとれる。

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この過去問の解説 (3件)

01

フランシス水車:管路を流れてきた水は渦巻き状のケーシングからランナ(羽根車)に全周方向から主軸に向かって直角に流入し回転。多水量の場合に採用されます。

ペルトン水車:ノズルからふき出す水をおわんのようなバケットに当てて回転。水の速度のみを利用する水車で、高落差の場合(→高い水圧→高い速度→)に採用されます。

比速度とは、水力発電機を同じ落差で同じ出力で相似した場合の回転速度のことです。ペルトン水車は高落差を前提に設計しているので、比速度は小さくなります。

よって、正解は4です。

正しくは、フランシス水車と比較して、高落差での比速度が小さくなる。

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02

ペルトン水車は、水のエネルギーをノズルから、速度エネルギーとして、流速をもった水をバケットに作用させて衝撃力から回転力に変える水車です。

フランシス水車は、反動水車で、ランナ・ガイドベーン・ケーシング・スピードリングで構成され、使用落差の範囲が小から大まであり、可逆式として揚水発電所で採用されている水車です。

水力発電に用いる水車、フランシス水車とペルトン水車、の比較に関する問題です。

選択肢1. フランシス水車には、ランナの出口から放水面までの接続管として、吸出し管が設置される。

〇 正しいです。

フランシス水車にはランナ出口から放水面まで、吸出し管が接続されています。

選択肢2. フランシス水車では、最高効率はペルトン水車よりも優れているが、軽負荷時に効率が低下する。

〇 正しいです。

フランシス水車の効率は最大で約93%とと、ペルトン水車の最大効率約88%より優れていますが、負荷が低いときは効率が低下します。

選択肢3. ペルトン水車のノズル内には、負荷に応じて使用流量を調整するためのニードル弁が設けられる。

〇 正しいです。

ペルトン水車のノズル内にニードル弁が設けられ、負荷に応じて流量を調整します。

選択肢4. ペルトン水車は、フランシス水車と比較して、高落差での比速度を大きくとれる。

× 誤りです。

ペルトン水車の落差範囲は300 m以上で比速度は、12~23に対して、フランシス水車の比速度は、低比速度で65~150、高比速度で250~350で、落差は60~500 mです。

「ペルトン水車は、高落差での比速度を大きくとれる」は誤りです。

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03

水力発電に用いる水車に関する問題です。

選択肢1. フランシス水車には、ランナの出口から放水面までの接続管として、吸出し管が設置される。

〇 正しいです。

選択肢2. フランシス水車では、最高効率はペルトン水車よりも優れているが、軽負荷時に効率が低下する。

〇 正しいです。

フランシス水車は、水量の多い場合に適した水車で、軽負荷時には効率が低下します。

選択肢3. ペルトン水車のノズル内には、負荷に応じて使用流量を調整するためのニードル弁が設けられる。

〇 正しいです。

ペルトン水車は、流入水の速度をニードル弁で調節して、出力を調整します。

選択肢4. ペルトン水車は、フランシス水車と比較して、高落差での比速度を大きくとれる。

✕ 誤りです。

ペルトン水車は、高落差で使用される水車なので、多水量を前提とする

フランシス水車よりも、高落差での比速度は小さくなります。

「大きくとれる」が「小さくなる」の誤りです。

まとめ

比速度とは、水力発電機を同じ落差、同じ出力で運転すると仮定した場合の、

回転速度のことです。

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