1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 ロ 問27

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 ロ 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

配電系統における高調波に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • インバータ等の変換装置を用いた機器が、高調波の発生源となる。
  • 高調波により変圧器など鉄心を有する機器の損失が増大する。
  • 高調波障害の対策としては、コンデンサと共振するように直列リアクトルを設置する。
  • 高調波障害の対策として、短絡容量の大きな配電系統から受電する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1について、正しい。

インバータ等の変換装置を用いた機器が、高調波の発生源となります。

2について正しい。

高調波により変圧器など鉄心を有する機器の損失が増大します。運転に伴う定格周波数の電流に加えて、高調波電流が余計に流れるためです。

3について誤り。

高調波障害の対策としては、コンデンサを保護するように直列リアクトルを設置します。選択肢のように、「共振」するよう選択すると、高調波電流が増幅されて、さらに影響が大きくなります。

4について正しい。

高調波障害の対策として、短絡容量の大きな配電系統から受電することで、配電系統内で高調波電流の影響を分散させて、影響を小さくします。

したがって、正解は3です。

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02

配電系統における高調波に関する問題です。

選択肢1. インバータ等の変換装置を用いた機器が、高調波の発生源となる。

〇 正しいです。

インバータ等で発生するひずみ波形が、高調波の原因になります。

選択肢2. 高調波により変圧器など鉄心を有する機器の損失が増大する。

〇 正しいです。

余計な高調波電流が流れるため、変圧器内部の渦電流が増加し、ジュール熱の損失が増大します。

選択肢3. 高調波障害の対策としては、コンデンサと共振するように直列リアクトルを設置する。

✕ 誤りです。

コンデンサは高調波の影響を受けやすい機器です。

コンデンサを保護するため、直列リアクトルを設置します。

選択肢4. 高調波障害の対策として、短絡容量の大きな配電系統から受電する。

〇 正しいです。

短絡容量の大きい系統は余裕があるため、高調波の影響が分散されます。

まとめ

インバータ機器の普及で、高調波対策が重要になってきています。

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03

高調波電流が、電力系統に流入すると、電圧降下を引き起こし、電圧・電流ともにひずみ波形になります。ひずみ波形の発生は、需要家の受電設備、進相コンデンサの異音や焼損、電送機の異音や加熱のようなトラブルを起こします。

配電系統における高調波に関する問題です。

選択肢1. インバータ等の変換装置を用いた機器が、高調波の発生源となる。

〇 正しいです。

高調波源には、電力変換器、磁気飽和の変圧器、磁気飽和の回転機、アーク炉や電気炉、家電機器の位相制御回路などが挙げられます。

選択肢2. 高調波により変圧器など鉄心を有する機器の損失が増大する。

〇 正しいです。

高調波の影響には、次のようなものが挙げられます。

・電力コンデンサ、分路リアクトルの過熱と異音

変換器のような鉄心を輸する機器の、鉄損の増加

・電力ケーブルの送電容量の低下

・保護継電器の特性への影響と誤動作

選択肢3. 高調波障害の対策としては、コンデンサと共振するように直列リアクトルを設置する。

× 誤りです。

直列リアクトルは、高調波によるコンデンサの過熱や異音や振動を、減少させるために設置されます

選択肢4. 高調波障害の対策として、短絡容量の大きな配電系統から受電する。

〇 正しいです。

高調波の発生源が配電線に接続されると、電圧のひずみの大きさは、電源側のインピーダンスに比例しますので、系統のインピーダンスを小さくし、短絡電流を大きくして系統の短絡容量を増加させると、配電系統での高調波低減対策には有効です。

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