1級電気工事施工管理技士の過去問
令和5年度(2023年)
午前 ロ 問4
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年) 午前 ロ 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
電力系統の局所的な故障の影響が、全系統に波及拡大することを防ぐ事故波及防止保護リレーシステムの設置目的として、最も不適当なものはどれか。
- 脱調保護
- 母線保護
- 周波数低下防止保護
- 過負荷防止保護
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この過去問の解説 (3件)
01
「事故波及防止保護リレーシステム」を設置する目的は、電力系統の局所的故障による影響が全系統へ波及拡大するのを防止することです。
〇
系統の安定度を維持する対策です。
発電機の同期が外れる脱調現象を防止するために、保護リレーで脱調を予測し、電源制限と系統分離を行う脱調未然防止システムがあります。
もう1つは、脱調を検出して系統分離を行う脱調分離システムがあります。
×
母線の異常は、その母線のみを切り離すことで系統全体への影響に及ぼしません。
よって、事故波及防止保護リレーシステムの設置は不要です。
〇
周波数維持対策を行います。
有効電力の不均衡によって周波数異常現象に対処する保護リレーシステムです。
〇
事故が起きた後、停止した設備の負荷が健全設備側に移行することで発生する過負荷に対応する保護リレーシステムです。
負荷制限や電源抑制制限を行います。
<参考>
事故波及防止保護リレーシステムの設置目的の1つです。
電圧上昇低下保護
無効電力の不均衡による電圧異常現象に対処する保護リレーシステムで、調相設備の開閉や負荷制限を行います。
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02
電力系統における事故波及防止保護リレーシステムの設置目的が問われています。
適切です。
脱調保護は、発電機の同期が外れる脱調現象を防止するために重要です。
脱調未然防止システムは、保護リレーで脱調を予測し、電源制限と系統分離を行います。
また、脱調分離システムは脱調を検出して系統分離を行います。
これは、系統の安定度を維持するために必要な対策です。
不適切です。
母線保護は、母線の異常時にその母線のみを切り離すことで、系統全体への影響を防ぎます。
しかし、事故波及防止保護リレーシステムの設置目的としては不適切です。
母線保護は局所的な問題に対処するためのものであり、全系統への波及を防ぐ目的ではありません。
適切です。
周波数低下防止保護は、有効電力の不均衡による周波数異常現象に対処するために設置されます。
これは、系統の周波数維持対策として重要であり、事故波及防止保護リレーシステムの設置目的の1つです。
適切です。
過負荷防止保護は、事故が起きた後、停止した設備の負荷が健全設備側に移行することで発生する過負荷に対応します。
これにより、負荷制限や電源抑制制限を行うことができます。
これも事故波及防止保護リレーシステムの設置目的の1つです。
各保護機能の目的とその系統への影響を理解することが大切です。
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03
事故波及防止保護リレーシステムに関する問題です。
〇 正しいです。
同期発電機が何らかの異常で同期を外れて運転することを、脱調といいます。
この時は、直ちに当該発電機を切り離し、系統に影響が波及することを防止します。
✕ 誤りです。
母線に事故が発生した場合は、当該母線は切り離されてしまうため、
波及事故にはならない仕組みになっています。
〇 正しいです。
負荷の急変動などにより系統の周波数が低下した場合は、
波及事故を防ぐために、負荷の遮断等を行います。
〇 正しいです。
系統内の事故により、故障設備の負荷が健全設備の負荷に上乗せされ、
過負荷となるのを防止するため、系統切り替えや負荷遮断を行います。
事故波及防止保護リレーシステムは、事故による系統のじょう乱を防止する為に設置します。
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