1級電気工事施工管理技士の過去問
令和5年度(2023年)
午前 ロ 問29

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年) 午前 ロ 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

電気鉄道における交流き電方式(単相交流20kV)と比較した、直流き電方式(直流1500V)に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 変電所の変電設備が簡単である。
  • 地下埋設物の電食について考慮する必要がある。
  • 変電所間隔を短くする必要がある。
  • トンネル断面が小さくできる。

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この過去問の解説 (3件)

01

電気鉄道における交流き電方式(単相交流20kV)と比較した、直流き電方式(直流1500V)に関する問題です。

選択肢1. 変電所の変電設備が簡単である。

×

交流変電所の建設費は安く、直流変電所の建設費の方が高くなります。その要因は、次の2点です。

・変電所の間隔が短いため変電所数が多い。

・交流―直流の変成器が必要で、変電所の設備が複雑になる。

したがって、「変電所の変電設備が簡単である」は誤りです。

選択肢2. 地下埋設物の電食について考慮する必要がある。

直流では、電気鉄道側の漏れ電流による電食対策が必要です。

選択肢3. 変電所間隔を短くする必要がある。

電圧降下に対しては、交流は、直列コンデンサや自動電圧調整装置で簡単に調整できますが、直流の場合は、き電線の増設や変電所の新設が必要です。

選択肢4. トンネル断面が小さくできる。

交流では、電圧が高いため絶縁隔離上トンネルの断面が大きくなりますが、直流では、電圧が低いため、絶縁隔離は小さくなり、トンネル断面も小さくて済みます。

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02

電気鉄道における交流き電方式(単相交流20kV)と比較したときの、直流き電方式(直流1500V)に関する設問です。

選択肢1. 変電所の変電設備が簡単である。

不適切です。

変電所の変電設備は(簡単ではなく)複雑になります。

直流き電方式になると設備が複雑化してきますので、簡単ではありません。

選択肢2. 地下埋設物の電食について考慮する必要がある。

適切です。

地下埋設物の電食について考慮する必要があります。

選択肢3. 変電所間隔を短くする必要がある。

適切です。

変電所間隔を短くする必要があります。

選択肢4. トンネル断面が小さくできる。

適切です。

トンネル断面を小さくすることが可能になります。

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03

不適当なものは「変電所の変電設備が簡単である」です。

この問題は交流と直流それぞれの特性と電圧の大きさを考慮し、適切な文章を選ぶ問題です。

選択肢1. 変電所の変電設備が簡単である。

直流き電方式では変電設備が簡単ではなく複雑であるため不適切な回答です。

交流き電方式では電力会社から受電した交流電圧を単相交流20kVに変圧し電車へ供給されます。

直流き電方式では受電した交流電圧を変圧器で降圧した後に、整流器で交流から直流電圧に変換する必要があるため設備が複雑化します。

選択肢2. 地下埋設物の電食について考慮する必要がある。

直流は交流に比べ、電食作用が大きくなるため、直流き電方式は電食を考慮する必要があります。

選択肢3. 変電所間隔を短くする必要がある。

電圧が高いほど電力損失が低くなります。単相交流20kVと直流1500Vを比較すると直流のほうが電圧が低く、損失が大きくなるため変電所間隔を短し線路の長さを短くする必要があります。

選択肢4. トンネル断面が小さくできる。

単相交流20kVは直流1500Vが高く、安全性を保障する絶縁設備などが多くなり、トンネルもその分大きくする必要があります。

直流き電方式は電圧が低い分、トンネル内の設備もコンパクトとなるため断面積を小さくすることができます。

まとめ

交流き電方式では変電所の変電設備が少なくでき、コストが削減できるメリットもあります。

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