1級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)
問15 (午前 ハ 問3)
問題文
変電所に用いられるガス絶縁開閉装置(GIS)の特徴に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和6年度(2024年) 問15(午前 ハ 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
変電所に用いられるガス絶縁開閉装置(GIS)の特徴に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 工場組立による一体輸送が可能であり、現場の工事が簡素化される。
- 絶縁に用いられる六フッ化硫黄(SF6)は、地球温暖化係数が二酸化炭素(CO2)に比べて小さい。
- 内部事故の場合、金属容器で密閉されているため故障個所が発見しにくく、復旧に時間がかかる。
- 三相一括形GISは、容器を多点接地しても誘導電流の大きさは問題にならない。
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この過去問の解説 (1件)
01
ガス絶縁開閉装置(GIS)は、電力システムにおいて重要な役割を果たす高圧機器です。GISは、そのコンパクトな設計と高い信頼性により、変電所や産業施設などで広く採用されています。本問題では、GISの特徴に関する正確な知識が求められています。各選択肢について詳しく見ていきましょう。
工場組立による一体輸送が可能であり、現場の工事が簡素化される。 ガス絶縁開閉装置(GIS)は、工場で一体化されたユニットとして組み立てられます。これにより、現場での複雑な組立作業が不要となり、設置時間が大幅に短縮されます。特に、現場での作業ミスのリスクが減少し、全体の設置プロセスが効率化されるという利点があります。
絶縁に用いられる六フッ化硫黄(SF6)は、地球温暖化係数が二酸化炭素(CO2)に比べて小さい。 この記述は誤りです。SF6は非常に高い絶縁性能を持つガスですが、その地球温暖化係数(GWP)は非常に高く、CO2の約23,500倍もあります。そのため、SF6は強力な温室効果ガスであり、環境への影響を慎重に評価する必要があります。
内部事故の場合、金属容器で密閉されているため故障個所が発見しにくく、復旧に時間がかかる。 GISの構造上、内部が金属容器で密閉されているため、内部で故障が発生した場合、故障箇所を特定するのが難しいことがあります。特に、絶縁ガスが漏れた場合、漏れの検出や復旧に時間がかかることがあるため、復旧作業には慎重な計画が必要です。
三相一括形GISは、容器を多点接地しても誘導電流の大きさは問題にならない。 三相一括形のGISは、その設計により多点接地が可能であり、誘導電流の影響を最小限に抑えることができます。これにより、安定した動作が保証され、接地系統の信頼性が向上します。設計の工夫により、誘導電流の問題が生じにくい点が利点となります。
ガス絶縁開閉装置(GIS)は、高圧電力機器において重要な技術であり、その特徴として以下が挙げられます:
工場組立による一体輸送が可能であり、現場の工事が簡素化される。 GISは工場で組み立てられ、一体として現場に輸送されるため、設置時間が短縮され、設置ミスのリスクも低減されます。
絶縁に用いられる六フッ化硫黄(SF6)は、地球温暖化係数が二酸化炭素(CO2)に比べて小さい。 この記述は誤りです。SF6は非常に高い地球温暖化係数を持ち、CO2の約23,500倍にもなります。
内部事故の場合、金属容器で密閉されているため故障個所が発見しにくく、復旧に時間がかかる。 GISは金属容器で密閉されているため、内部事故時には故障箇所の特定が難しく、復旧に時間がかかることがあります。
三相一括形GISは、容器を多点接地しても誘導電流の大きさは問題にならない。 三相一括形のGISは多点接地が可能であり、誘導電流の影響が問題とならないように設計されています。
GISはその特性や利点により、変電所などでの高圧電力管理において重要な役割を果たしています。しかし、環境への影響や故障時の対応については注意が必要です。
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