1級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)
問20 (午前 ハ 問8)

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和6年度(2024年) 問20(午前 ハ 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

架空送電線路の線路定数に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 交流電流の場合の抵抗値は、直流抵抗値より大きくなる。
  • 作用インダクタンスは、地中送電線路より小さくなる。
  • 静電容量には、各相の対地静電容量と線間静電容量がある。
  • 漏れコンダクタンスは、送電特性の計算上は無視できるほど小さい場合が多い。

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この過去問の解説 (1件)

01

架空送電線路の線路定数は、送電システムの効率と信頼性に大きな影響を与える重要な要素です。線路定数には抵抗、インダクタンス、静電容量、コンダクタンスなどが含まれます。本問題では、架空送電線路の線路定数に関する正しい知識を問うています。各選択肢について詳しく見ていきましょう。

選択肢1. 交流電流の場合の抵抗値は、直流抵抗値より大きくなる。

交流電流の場合の抵抗値は、直流抵抗値より大きくなる。 これは正しい記述です。交流電流では、スキン効果により電流が導体の表面付近を流れるため、実効的な断面積が減少し、抵抗値が増加します。したがって、交流抵抗値は直流抵抗値よりも大きくなります。

選択肢2. 作用インダクタンスは、地中送電線路より小さくなる。

作用インダクタンスは、地中送電線路より小さくなる。 この記述は誤りです。実際には、架空送電線路の作用インダクタンスは地中送電線路よりも大きくなります。架空送電線路では電線が空中に設置されているため、磁界が広範囲に広がり、その結果としてインダクタンスが増加します。

選択肢3. 静電容量には、各相の対地静電容量と線間静電容量がある。

静電容量には、各相の対地静電容量と線間静電容量がある。 これは正しい記述です。送電線の静電容量には、各相の電線と地面との間の静電容量(対地静電容量)と、電線間の静電容量(線間静電容量)が含まれます。これらの静電容量は、送電線の設計と動作に影響を与えます。

選択肢4. 漏れコンダクタンスは、送電特性の計算上は無視できるほど小さい場合が多い。

漏れコンダクタンスは、送電特性の計算上は無視できるほど小さい場合が多い。 これは正しい記述です。漏れコンダクタンスは通常非常に小さいため、送電特性の計算では無視できる場合が多いです。特に長距離送電線路では、漏れコンダクタンスの影響はほとんど無視されます。

まとめ

架空送電線路の線路定数は、送電システムの効率と信頼性に大きな影響を与える重要な要素です。以下に、各選択肢の正確性と適切性を示します:

交流電流の場合の抵抗値は、直流抵抗値より大きくなる。 交流電流では、スキン効果により電流が導体の表面付近を流れるため、実効的な断面積が減少し、抵抗値が増加します。

作用インダクタンスは、地中送電線路より小さくなる。 この記述は誤りです。架空送電線路の作用インダクタンスは通常、地中送電線路よりも大きくなります。これは、電線が空中に敷設されているため、磁界の発生範囲が広がりインダクタンスが増加するからです。

静電容量には、各相の対地静電容量と線間静電容量がある。 送電線の静電容量には、各相の電線と地面との間の静電容量(対地静電容量)と、電線間の静電容量(線間静電容量)が含まれます。

漏れコンダクタンスは、送電特性の計算上は無視できるほど小さい場合が多い。 漏れコンダクタンスは通常非常に小さいため、送電特性の計算では無視できる場合が多いです。

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