2級電気工事施工管理技士の過去問 平成29年度（2017年） 2 問29

自動火災報知設備の設置基準表において、「配線」の項目に
「受信機から地区音響装置までの配線は600V二種ビニル絶縁電線またはこれと同等以上の耐熱を有する電線を用い、金属管工事、金属ダクト工事等により設ける」とあります。
この600V二種ビニル絶縁電線というのは耐熱性能に優れた耐熱ケーブルになり、問いの「600Vビニル絶縁電線」は耐熱性が低いものですので、使用できない事になっています。

地区音響装置とは、火災の発生をベルで知らせる装置です。
その為、音響装置が火炎に包まれても警報音が
途切れない性能が重要になります。

設問4で記述されている600Ⅴビニル絶縁電線(IV)は、
耐熱性が乏しく、火災時に断線する可能性があり、
地区音響装置の安定稼働を妨げる恐れがあります。

設問1～3は消防法施行規則で定められています。

自動火災報知設備が火災発生を建物の様々な場所に伝えるため地区音響装置が使用されます。
この音響装置自体や設置場所・使用する配線などは、火災時に避難するための間、正常に機能し続ける必要があり、このことが消防法で定められています。

1・2・3 はそれぞれ、不燃性もしくは難燃性であること、十分に聞こえる音量であること、どの場所にいても聞こえる間隔で配置すべきことを、消防法に基づいて正しく述べています。

しかし4 にある600Vビニル絶縁電線は耐火性能が無いため、受信機から地区音響装置までの配線に使用してはなりません。
そうでないと、火災時に電線が焼け落ち、警報が伝わらないかもしれません。
そのため、金属管などに収めるか、耐火性能のある電線を使用しなければなりません。

よって、正解は、4 です。