クレーン作業では欠かせない玉掛作業で使用するワーヤーロープからの出題です。「クレーン等安全規則」が基になります。
選択肢1. つり角度によりワイヤロープの安全荷重が変わるので、ワイヤロープのサイズを変更した。
〇 正しいです。
ワイヤロープの安全係数は、ワイヤの切断荷重の値をワイヤに掛かる荷重の最大値で除した値となります。つり角度によってワイヤに掛かる荷重が変わるため、安全係数も小さくなる場合があります。
そのため、つり角度によりワイヤロープの安全荷重が変わるので、ワイヤロープのサイズを変更することは、安全係数を維持するために必要です。(安全係数は他選択肢で解説します。)
選択肢2. 玉掛け用ワイヤロープは、異常の有無についての点検を前日に行ったものを使用した。
× 誤りです。
ワイヤロープの作業開始前の点検は、ワイヤを使って玉掛けを行なう作業を開始する前に当該ワイヤ異常の有無の点検を行なう必要があります。(「クレーン等安全規則」第220条)
したがって、作業前日に点検したものを使用することは、誤りです。
選択肢3. 玉掛け用ワイヤロープは、両端にアイを備えているものを使用した。
〇 正しいです。
玉掛け用ワイヤロープは、エンドレスでないワイヤには、その両端にフック、シャックル、リングまたはアイを備えていなければ、クレーン等の玉掛用具に使ってはいけません。(「クレーン等安全規則」第219条)
選択肢4. 玉掛け用ワイヤロープは、安全係数が6のものを使用した。
〇 正しいです。
「クレーン等安全規則」第230条に、ワイヤロープの安全係数は、 6 以上でなければ使用してはならないと規定されています。
また、安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で除した値と規定していますので、荷重が変わることで安全係数 6 が保てないときは、ワイヤを大きいサイズに交換する必要があります。
これは、荷物の重量が変わらなくとも、つり角度が変わることでも安全係数が保てなくなる可能性があります。