2級電気工事施工管理技士の過去問
令和元年度(2019年)後期
2 問31

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年)後期 2 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

架空式電車線の区分装置に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 区分装置は、変電所又はき電区分所付近、駅の上下線のわたりなどに設けられる。
  • FRPセクションは、駅中間など高速走行区間用に用いられる。
  • エアセクションは、電車線相互の離隔空間を絶縁に用いるものである。
  • がいし形セクションは、懸垂がいしを絶縁材としたものである。

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この過去問の解説 (3件)

01

架空式電車線とは、電車に電力を供給する為に設置された架空線のことです。

電車は、この架空線からパンタグラフなどの集電装置を通して電力を得ています。


区分装置とは、この架空線を電気的・機械的に区分するための装置を指しています。

そもそも、区分が必要なのは、長距離に及ぶ架空線に電力を供給するために、複数の変電所が必要だからです。

変電所ごと、あるいはそれぞれの変電所からの距離によって電圧降下は異なり、電位差が生じるため電気的接続ができません。


この区分装置には、絶縁素材として FRP・空気(エア)・がいし を利用するものがあります。


FRPセクションは、絶縁体としてFRP(繊維強化プラスチック)を用いており、分岐部に多く用いられます。

構造上、セクションの間隔は他の方法に比べて狭く、トラブルを避けるために高速走行区間には使われません。


ということで、この問題の 1、3、4 は正しいですが、 2 は「FRPセクションを高速走行区間に使う」としているのが不適当です。

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02

不適当は2番です。
FRPセクションは減速する必要があります。減速を必要としないのはエアセクションです。

区分装置は、変電所や饋電区分所近くに近くに設置する為、1番は適当です。

2本の架線間に空間を空け、空気で絶縁させる為、3番は適当です。

がいし形セクションは懸垂がいしで、絶縁と張力を持たせている為、4番は適当です。

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03

電車線路を局部的に停電させる目的は、事故や保守のためです。

変電所、き電区分所、駅の上下渡り線、駅構内の側線、車庫線などは、区分装置(セクション)によって、電気的に区分されます。

選択肢1. 区分装置は、変電所又はき電区分所付近、駅の上下線のわたりなどに設けられる。

〇 正しいです。

区分装置(セクション)によって電気的に区分するため、変電所・き電区分所付近・駅の上下線のわたりに設けられます。

選択肢2. FRPセクションは、駅中間など高速走行区間用に用いられる。

× 誤りです。

FRPセクションは、セクションインシュレータ(区分装置の絶縁)です。FRP強化プラスチックなどの絶縁性の良い軽量になり、直流区間の駅構内のような低速部で使われます。

したがって、駅中間の高速走行区間では使われません

選択肢3. エアセクションは、電車線相互の離隔空間を絶縁に用いるものである。

〇 正しいです。

ちょう架線やトロリ線の引留め箇所は、平行部分での電線相互の隔離空間を、絶縁とします。これがエアセクションで、直流・交流ともに系統区分に使用されます。

選択肢4. がいし形セクションは、懸垂がいしを絶縁材としたものである。

〇 正しいです。

がいし形セクションは、セクションインシュレータです。懸垂がいしを絶縁物として、スライダをつけてパンタグラフが通りやすいようにしています。

パンタグラフが通過中には、電流が中断されず駅構内で使用されます。しかし、構造が複雑になるため、調整が難しくがいしを損傷しやすい欠点があります。

交流区間の駅構内で使用されます。

まとめ

<参考>

区分装置には、位相区分用セクションがあります。交流区間では隣接の変電所間の主電圧相が異なるため、異相を区分するセクションです。

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