2級電気工事施工管理技士の過去問
令和3年度(2021年)前期
1 問7
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問題
2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和3年度(2021年)前期 1 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
進相コンデンサを誘導性負荷と並列に接続して力率を改善した場合、電源側に生じる効果として、不適当なものはどれか。
- 電力損失の低減
- 電圧降下の軽減
- 無効電流の減少
- 電圧波形のひずみの改善
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この過去問の解説 (3件)
01
モーター等の負荷においては有効電流と無効電流(遅れ位相)が流れており、無効電流が大きいとその分有効電流が小さくなり、全体の力率を悪くしてしまいます。
進相コンデンサは誘導性負荷と並列に接続することで、無効電流を打ち消すことが出来ます。
進相コンデンサによって力率が改善されれば、電力損失を抑えることが出来ます。
進相コンデンサによって無効電流が打ち消されれば、その分の電圧降下を抑えることが出来ます。
進相コンデンサを接続して進み位相の電流を流すことで、遅れ位相分の無効電流を打ち消すことが出来ます。
電圧波形のひずみとは、商用周波数の波形中にそれと奇数倍の波形が複数含まれることで発生しする現象です。
これの対策としては、進相コンデンサと直列リアクトルを接続する必要があるため、誤りです。
よって、「電圧波形のひずみの改善」が不適当です。
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02
進相コンデンサを誘導性負荷と並列に接続して、力率を改善した場合の問題です。
〇 正しいです。
無効電力が減少し、電力損失が低減されます。
〇 正しいです。
無効電流が減少する為、電圧降下も小さくなります。
〇 正しいです。
✕ 誤りです。
電圧波形のひずみとは関係ありません。
電圧波形にぎずみがあると、高調波が発生します。
高調波対策には、進相コンデンサに直列リアクトルを設置します。
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03
回路の電圧 V と電流 I による電力を皮相電力 S (S=V・I)といい、抵抗などによる有効電力 P とコイルなどによる無効電力 Q に分けられます。皮相電力に対して有効電力の割合を、力率と言い、力率 = P/S と表されます。
力率改善するためには、無効電力を少なくすることで、そのために進相コンデンサが回路に並列に接続されます。
力率改善によって、選択肢の項目が実現できます。
○ 無効電力が減るため、電力損失が低減できます。
○ 電流が減るため、電圧損失が軽減できます。
○ 有効電力を維持するために多く流れていた無効電流が軽減できます。
× 誤りです。
電圧波形のひずみは高調波によるもので、高調波によって進相コンデンサに悪影響を及ぼします。電圧波形のひずみの改善は、コンデンサに直列リアクトルを接続することです。
この問題は、「力率を改善した場合、電源側に生じる効果」ですので、力率については、最小限の解説に留めました。
力率は重要な要素であるため、出題される可能性が高い項目の1つです。計算を含めてしっかり勉強すべきです。
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