2級電気工事施工管理技士の過去問 令和3年度（2021年）後期 6 問57

電気工作物は、自家用と事業用に分かれ、自家用の電気工作物に関わる工事は第1種、第2種電気工事士であれば、作業ができます。

事業用電気工作物については、第1種電気工事士しかできません。その項目以外を軽微な作業として、電気工事士の資格が無くとも工事が可能です。

(1)　次の自家用電気工作物の作業は、第1種電気工事士しか作業できない作業以外の軽微な作業です。

・　電圧600 V以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は電圧600 Vで使用するナイフスイッチなどの開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルの接続工事

・　電圧600 V以下で使用する電気機器、電圧600 V以下で使用する蓄電池端子に電線のねじ止め工事

・　電圧 600 V以下で使用する電力量計、電流制限器、ヒューズの取付け取外し工事

・　電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球などに使用する小型変圧器（二次電圧が36 V以下）の二次側の配線工事

・　電線を支持する柱、腕木などの工作物の設置・変更工事

・　地中電線用の暗渠きよ、管の設置、変更工事

(2)　「電気工事士法施行規則」第2条に第1種電気工事士しか作業できない項目が、以下のように規定されています。対象は、自家用電気工作物に係る電気工事です。

・　電線相互を接続する作業

・　がいしに電線の取付け取外し作業

・　電線を直接造営材その他の物のに取付け取外し作業

・　電線管、線樋ぴ、ダクトなどの電線を収納作業

・　配線器具を造営材などへの取付け取外し・電線接続作業

・　電線管曲げ・ねじ切り・電線管相互・電線管・ボックス・附属品の接続作業

・　金属製ボックスの造営材への取付け取外し作業

・　電線、電線管、線樋ぴ、ダクトなど造営材貫通部分への金属製防護装置の取付け取外し作業

・　金属製電線管、線樋ぴ、ダクト、附属品を建造物のメタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張部分の取付け取外し作業

・　配電盤を造営材の取付け取外し作業

・　接地線を自家用電気工作物に取付け取外し、接地線相互と接地線と接地極とを接続、接地極を地面への埋設作業

・　電圧600 Vを超えて使用する電気機器に、電線の接続作業

以上の項目以外とこれらの補助作業が、保安上支障がないと認められる軽微な作業です。

電気工事士法では、電気工事士でなければできない作業が取り決められています。造営物に取り付ける、電線、配線器具、金属製ボックス、及び、接地極を地面に埋設する作業は、電気工事士でなければ作業できません。

電力量計を取り付ける作業は、電気工事士の独占業務に該当しない代表的な作業となります。

「電気工事士法」に関する問題です。

電気工事士法第2条（用語の定義）第3項に、「この法律において「電気工事」とは、一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。」と規定されています。

また、電気工事士法施行令第1条（軽微な工事）第1項第三号に、「電圧600V以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事」と規定されています。