2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問6 (1 問6)

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 問6(1 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

変圧器の損失に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、電圧及び周波数は一定とする。
  • 鉄損は、負荷電流に比例する。
  • 鉄損は、ヒステリシス損が含まれる。
  • 銅損は、負荷電流の2乗に比例する。
  • 銅損は、負荷損に分類される。

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この過去問の解説 (3件)

01

変圧器の損失は大まかには分けて負荷損と無負荷損に分けられます。その中で負荷損の大半は抵抗損すなわち銅損、

無負荷損は鉄損がありヒステリシス損とうず電流損に分けられます。

選択肢1. 鉄損は、負荷電流に比例する。

不適当です。

鉄損は無負荷損に該当し、負荷電流に比例するのは負荷損の銅損となります。

選択肢2. 鉄損は、ヒステリシス損が含まれる。

鉄損にはヒステリシス損とうず電流損があり、適当です。

選択肢3. 銅損は、負荷電流の2乗に比例する。

Pc=I2乗×Rとなります。(Pc:銅損、I:負荷電流、R:巻線抵抗)。よって適当です。

選択肢4. 銅損は、負荷損に分類される。

負荷損の大半として銅損になります。よって適当です。

まとめ

損失の分類分けを覚えておきましょう。

負荷損→銅損と漂遊負荷損

無負荷損→鉄損と誘電体損

     鉄損→ヒステリシス損と渦電流損

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02

変圧器の損失には、負荷時に生じる負荷損と、無負荷時にも生じる無負荷損に分けられます。

 

負荷損には、巻き線に生じる銅損があります。

銅損は、負荷電流の2乗に比例します。

 

無負荷損には、鉄芯による鉄損があります。

鉄損は、負荷電流に依らず一定です。

ただし、鉄損には、ヒステリシス損や、渦電流損があります。


 

選択肢1. 鉄損は、負荷電流に比例する。

上記の通り、鉄損は、負荷電流に依存せずに一定です。

負荷電流に比例しません。

従って、誤りです。

選択肢2. 鉄損は、ヒステリシス損が含まれる。

上記に記載の通り、鉄損には、ヒステリシス損が発生します。

ヒステリシス損とは、磁性体内部の磁界の方向や、大きさが変化することで生じるエネルギー損失のことです。

従って、正しい内容です。

選択肢3. 銅損は、負荷電流の2乗に比例する。

上記に記載の通り、正しい内容です。

選択肢4. 銅損は、負荷損に分類される。

上記に記載の通り、正しい内容です。

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03

変圧器を用いると、1次コイルと2次コイルの巻数の比を変えるだけで 電圧を変えることができますが、エネルギー損失も発生するため 効率的な変圧が求められます。
変圧器の損失には様々ありますが、鉄損と銅損の割合が大きいため、この2つを考慮するのが一般的です。

選択肢1. 鉄損は、負荷電流に比例する。

誤りです。

 

鉄損は電圧と周波数 および鉄心の材質や形状によって決まります。
電圧の累乗に比例し、周波数に反比例します。

選択肢2. 鉄損は、ヒステリシス損が含まれる。

正しいです。

 

鉄損はヒステリシス損と渦電流損の和であり、式にすると下の用に表されます。

    Pi(鉄損) = Ph(ヒステリシス損) + Pe(渦電流損)

選択肢3. 銅損は、負荷電流の2乗に比例する。

正しいです。

 

銅損はコイルで消費(損失)される電力のため 電流の2乗に比例します。

    Pc(銅損) = I(電流)² * R(巻線抵抗)

選択肢4. 銅損は、負荷損に分類される。

正しいです。

 

二次側に電流が流れていない状態でも発生する損失を無負荷損といい、電流が流れた時だけ発生する損失を負荷損といいます。

銅損は二次側に電流が流れると発生しますので 負荷損です。ちなみに鉄損は無負荷損です。

まとめ

鉄損は鉄心(磁性体)で発生する磁気変動による損失銅損は銅線(コイル)の電気抵抗による損失です。

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