2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問8 (1 問8)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 問8(1 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

汽力発電所の熱効率の向上対策として、最も不適当なものはどれか。
  • 復水器の真空度を高くする。
  • 抽気した蒸気で給水を加熱する。
  • タービン入口の蒸気の圧力を低くする。
  • タービン途中の蒸気をボイラで再熱する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

汽力発電所の簡単な構造、タービン、復水器、給水加熱器、再熱器の役割を理解しておく必要があります。

選択肢1. 復水器の真空度を高くする。

復水器は蒸気タービンで使用された蒸気を冷却し、水に戻す役割を担う装置です。

復水器の真空度を高くすることでタービンの排気圧がひくくなり、熱効率が向上します。

選択肢2. 抽気した蒸気で給水を加熱する。

給水加熱器のことを指しており、抽気した蒸気で給水を加熱することで熱効率が向上します。

選択肢3. タービン入口の蒸気の圧力を低くする。

タービン入口の蒸気の圧力や温度が高いほど熱効率は大きくなります。

選択肢4. タービン途中の蒸気をボイラで再熱する。

再熱器のことを指しており、タービン途中の蒸気を再熱することで熱効率が向上します。

まとめ

過去にも同様の問題が出題されており、熱効率向上には

①復水器の真空度を高くする

②給水加熱器を利用する

③タービン入り口の圧力や温度を高くする

④再熱器を利用する

と暗記しましょう。

参考になった数26

02

汽力発電の熱サイクル向上の対策として下記が挙げられます。

 

①高温高圧蒸気の利用

 

②過熱蒸気の利用

過熱蒸気とは、水を加熱して100℃で蒸気化したものをさらに加熱して、100℃を超える蒸気にしたものです。

 

③復水器の真空化

復水器とは、蒸気タービン等で排出された蒸気を、冷却・凝縮させることで水に戻す装置です。

復水器の真空度を上げて、蒸気を凝縮させると、蒸気の体積が減ります。

結果として、蒸気の流れがよくなり、タービンの効率が上がります。

 

④再熱サイクル

再熱サイクルは、タービンが高圧と低圧の二段になっています。

高圧タービン出口の蒸気をボイラーの再熱器に戻して加熱します。

 

⑤抽気

抽気とは、タービンで膨張途中の蒸気を一部だけ外部に取り出すことです。

抽気された蒸気で、ボイラーに給水される水の温度を高くして、熱効率を上げます。

 

⑥再生サイクル

タービンの排熱を給水加熱器に供給します。

 

⑦節炭器により排ガスで予熱

水をボイラの排ガスで事前に温めて、水を蒸発させるのに必要な燃料を減らします。

 

選択肢1. 復水器の真空度を高くする。

上記③の復水器の真空化に該当します。

選択肢2. 抽気した蒸気で給水を加熱する。

上記⑤の抽気に該当します。

 

選択肢3. タービン入口の蒸気の圧力を低くする。

蒸気の圧力を低くすることは、熱効率の低下を招きます。

従って、誤りです。

選択肢4. タービン途中の蒸気をボイラで再熱する。

上記④の再熱サイクルに該当します。

参考になった数2

03

汽力発電は空気の膨張を利用した発電方法で、蒸気サイクルによってタービンを回して発電機を動かします。
蒸気サイクルは蒸気の気圧差を利用してタービンを回しますので、タービンの入口と出口で気圧差が大きいほど効率がよくなります。蒸気は温めるほど体積が大きくなり、それに伴い気圧も上がりますから、タービンに入る蒸気を高温高圧にする対策 および タービンから出た蒸気を低温低圧にする対策が有効です。

選択肢1. 復水器の真空度を高くする。

正しいです。

 

復水器はタービンから出た蒸気を水に戻す装置です。
真空度を高くするということは 気圧を低くするということです。

選択肢2. 抽気した蒸気で給水を加熱する。

正しいです。

 

給水とは 復水器からボイラーに水を送ることです。

抽気した蒸気を利用して 給水加熱すれば、熱を効率よく活用できます。

選択肢3. タービン入口の蒸気の圧力を低くする。

誤りです。

 

タービン入口の圧力を低くすると 出口との気圧差が小さくなるため効率が悪くなります。
入口では蒸気の圧力が高いほど効率がよいといえます。
 

選択肢4. タービン途中の蒸気をボイラで再熱する。

正しいです。

 

再熱サイクルといい 効率向上に有効です。

まとめ

汽力発電の効率向上の方法として、蒸気サイクル(ランキンサイクル)のしくみと、再生サイクル再熱サイクルを理解しておきましょう。

参考になった数0