2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問49 (5 問7)
問題文
高圧ケーブルによる架空引込線の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
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問題
2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 問49(5 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
高圧ケーブルによる架空引込線の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ケーブルを径間途中で接続した。
- ケーブルのちょう架用線に使用する金属体にD種接地工事を施した。
- ケーブルを屈曲させるので3心ケーブルの曲げ半径を外径の8倍とした。
- ケーブルをちょう架用線にハンガーを使用してちょう架し、ハンガーの間隔を50cmとして施設した。
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この過去問の解説 (3件)
01
高圧架空引込線は、高圧ケーブルを電柱から建屋に引き入れるために、引き入れる周囲の高さや幅、引込用のちょう架用線との組み合わせ方など、多数の規制が掛かっています。
詳細は、内線規程で推奨されています。
誤
高圧ケーブルによる架空引込線は、次のような規定が推奨されます。
・径間途中では、ケーブルの接続を行わない。
・ケーブルちょう架終端接続は、耐久性のひもで巻き止める。
・ケーブルは、ちょう架用線の引留箇所で、熱収縮と機械的振動ひずみに備えてケーブルにゆとりを設ける。
正
ちょう架用線に使用する金属体の接地は、D種接地工事を施します。
金属体がケーブルの金属部と接触なり接続がなされている場合は、A種接地工事です。
正
➀で規定には、次のことも加えられています。
ケーブルの屈曲では、曲げ半径を3心ケーブルでは外径の8倍以上とする。
なお、単心のケーブルでは外径の10倍以上とします。
正
ケーブルをちょう架用線にハンガーでちょう架するときは、ハンガー間隔は、50cm以下とします。
問題で書かれている内容は、電気設備の技術基準省令と解釈に、部分的に規定されています。
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02
高圧架空引込線の施工について、過去にも出題された問題なので整理します。
・ケーブルをハンガーによりちょう架用線に支持する場合は、ハンガーの間隔を50cm以下とする
・ケーブルちょう架の終端接続は、耐久性のあるひもによって巻きとめること
・径間途中では、ケーブルの接続を行わないこと
・ケーブルを屈曲させる場合は、曲げ半径を単心のケーブルでは外径の10倍、3心のケーブルでは8倍以上とすること
・ケーブルはちょう架用線の引き留め箇所で、熱収縮と機械的振動ひずみに備えてケーブルにゆとりをもうけること
となっています。
誤りとなります。解説の冒頭の通りです。
正となります。記述の通りです。
正となります。解説の冒頭の通りです。
正となります。解説の冒頭の通りです。
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03
架空引込線とは、架空電線の電柱から建物の外壁や、引込柱の引込線取付点までを架け渡した配線を指します。
径間距離とは架空電線の電柱から住宅への配電線などが架け渡されている引込柱までの区間を指します。
(※_架空地線(かくうちせん)とは、送電線や配電線などの架空線の上方に架設された接地線で、落雷による雷撃をアースに放電させて電線を保護する役割があります。)
問題文は、その径間距離間の途中でケーブルの接続作業を行うことを意味しています。
ここで、高圧受電設備規程(JEAC 8011)では、
「高圧ケーブルによる架空引き込み線は、径間途中では、ケーブルの接続を行わないこと」
と規定しています。
従って、誤りです。
【補足】
ケーブル(電線)の接続の作業には、圧縮接続や、圧着接続があります。
接続点には、(圧縮)端子台や、ジョイントボックスが使用されます。
圧縮接続とは、接続する銅線を、上下2組の六角型のダイスにより圧縮させる手法です。
圧着接続とは異なり銅線に対して、接合部全長に渡って均等に圧力をかけることができます。
高圧用の太いケーブルに使用されます。一方、圧着端子に使用するケーブルは最大で太さ1mmとされています。
圧縮端子は、圧着端子よりも、安全に、高い強度で接続することができますが、高価です。
ちょう架線とは、トロリ線を吊り下げる目的でトロリ線の上方に設ける電線を指します。
この構造を、シンプルカテナリ式といいます。
ちょう架線からハンガーによってトロリ線を吊り下げる形で固定します。
トロリ線とは、電車等の移動体に電気を供給する接触電線を指します。
トロリ線のみでも電力は供給できますが、ちょう架線と、ハンガーによってトロリ線の撓みを補正します。
ちょう架線に使用する金属体は、ケーブルを安全かつ確実に支持・固定する目的で使用されます。
この金属体には、雷対策や、感電防止の対策を目的としたD接地工事(接地抵抗100Ω以下)が施されます。
従って、正しい内容です。
ケーブルの曲げ半径とは、ケーブルに損傷や断線を与えずに曲げられる半径の許容範囲を指します。
ケーブルの曲げ半径は、内線規程(JEAC8001-2016)で定められています。
曲げ半径は、遮蔽なしケーブルか遮蔽ありケーブル、又単心か多心かでも以下のように異なります。
①遮蔽なし 単心 8D以上
多心 6D以上
②遮蔽あり 単心 10D以上
多心 8D以上
(※ Dは、ケーブルの公称外径で単位はmm。)
問題文では、遮蔽ありか無しの言及はなされていませんが、多心に該当し、最低6D以上の曲げ範囲を確保できれば良いとされています。
従って、外径8倍は上記の規定に沿っています。
正しい内容です。
ちょう架線用のハンガーの支持間隔は、50cm以下とされていますので正しい内容となります。
架空電線、架空引込線、径間距離、配電線、引込柱の関係性を図でイメージしておくと良いでしょう。
ちょう架線と、トロリ線、ハンガーの位置関係を図でイメージして覚えておきましょう。
又、それぞれの役割を覚えておきましょう。
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