介護福祉士の過去問
第25回(平成24年度)
総合問題 問111

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問題

介護福祉士国家試験 第25回(平成24年度) 総合問題 問111 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで問題について答えなさい。
【事例】
Hさん(80歳、男性)は、娘には老後の心配をかけたくないと考えて、2年前に夫婦で軽費老人ホームに入所した。物静かな性格で賑やかな場所は苦手である。身の回りのことは自分でできる。10年前に糖尿病にかかり、毎日、朝食前に自分でインスリン注射をしている。半年前、妻が突然亡くなった。妻がいるころは、妻と一緒に散歩をしたり、妻が食事にも気を配ってくれていたので血糖値は安定していた。妻の死後は自己注射を介護職が見守っている。

【問題】
受診後Hさんは、「できるだけ自分で健康管理をして、ここで生活していきたいので協力してほしい」と介護職に話した。介護職が行った支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 運動をしていたので励ました。
  • 部屋の掃除を頼まれたが断った。
  • 仲の良い利用者と間食をしていたので、その場で注意した。
  • インスリン注射の見守りを中止した。
  • 妻のことは何も話さないようにした。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。「できるだけ自分で健康管理をして、ここで生活していきたい」というご本人のご意向を尊重した態度といえます。

各選択肢については以下のとおりです。
2→「断った」というところが問題です。介護者がすべてを行うのも問題があります。状況を確認し、HさんのできることはHさんにやっていただくなどして、一緒に行うのが適切です。
3→Hさんは糖尿病なので時として注意は必要ですが、ここで問題なのは仲の良い利用者さんがいる前で注意したという点です。もしかしたら、楽しい時間を過ごしていらっしゃったかもしれませんし、ご本人のプライドも傷ついたかもしれません。配慮に欠けた行為です。
4→注射の時間、注射液の量など健康管理に欠かせない行為なので見守りが必要です。
5→グリーフケアとして、ご本人が話をされているときは傾聴する態度が必要です。

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02

正解は1です。
本人が健康管理をする気になっているので、運動等している時に声掛けで励ますのが適切です。

2→本人が疲れていたり体調が悪い場合もありますので何も聞かずに断るのは誤りです。
3→食事管理をされていても、その場ですぐに注意するのは誤りです。本人のプライドを傷つけかねませんし、間食を仲間にすすめられ断れなかったのかもしれません、後で話をまず聞くべきです。
4→本人が健康管理をすると話したからといってすべてをいきなり任せるのではなく、徐々に進める事が好ましいです。インスリン注射は治療に大切な部分なのでまだ職員がつくべきです。
5→奥さんの事をなにも話さないのは不適切です。本人が思い出して話しているときは、傾聴しつつ一緒に会話する事が大切です。

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03

正解は1です。

この時点では、妻を亡くした悲嘆から立ち直り、少しずつ現実に適応しつつある状況がうかがえます。

グリーフに伴ううつ状態から復帰してきたところなので、過度な励ましや、意欲を削ぐような発言・行為は厳禁です。

また急に支援を減らすと、本人は突き放されたという気持ちになり、またうつ状態へ戻ってしまう可能性が高いです。

以上を総合すると、本人の状況を温かく見守りつつ、やる気を受容しているという点で1が適切であるとわかります。

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