介護福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
介護過程 問63
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問題
介護福祉士国家試験 第27回(平成26年度) 介護過程 問63 (訂正依頼・報告はこちら)
Cさん(83歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で、介護老人保健施設に入所している。最近、もの盗られ妄想がひどくなり、「時計がない」「金の時計だから盗まれた」「嫁が盗んだに違いない」と言い、週末に訪れる長男の妻のDさんに対して大声で、「返して」と言っている。
Cさんへの介護目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。
Cさんへの介護目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 行動・心理症状(BPSD)を改善する。
- Dさんの汚名を晴らすことができる。
- Dさんと穏やかに過ごすことができる。
- 説明を受けて理解することができる。
- 興奮時は薬で鎮静を図る。
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この過去問の解説 (3件)
01
物盗られ妄想の標的になっているDさんの疲弊も考慮に入れるべきです。
各選択肢については以下のとおりです。
1→中核症状(記憶障害や思考力の低下など)ともかかわるものなので、介護員がどうにかできるものではありません。目標として不向きです。
2→Cさんを否定する行為は、かえってCさんの状況を悪化させる可能性が高いです。そのため不適切です。
4→認知症は人によって差こそあれ、進行し今よりも状態がよくなるというものではありません。そのため、理解させることは目標として不適切です。
5→薬の投与は医療行為です。介護員にはできません。
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02
1×:問題は、アルツハイマー型認知症の「物取られ妄想」の症状の一つです。対応策として、介護者や周りの人たちが行動を理解し、Cさんとの接し方を工夫することが適切です。
2×:Dさんの汚名を晴らすということは、Cさんの発言を否定することとなります。「物取られ妄想」は、本人は間違っていないと思っていることから生じます。その為、否定することは逆効果となります。
3○:「物取られ妄想」の攻撃対象となりやすい存在は、自身の身の回りを一番よくみてくれる身近な人物(嫁・息子・ヘルパーなど)です。Cさんだけではなく、攻撃対象となっているDさんの気持ちも受け止める対応が必要となります。
4×:「物取られ妄想」は、本人は間違っていないと思っていることから生じます。その為、説明をして理解ができるものではなく、逆効果となる場合が多いです。
5×:認知症は、進行を送らせたり症状の改善を期待するために、医療機関を利用して薬を使用することがあります。しかし問題は、「物取られ妄想」という一つの症状へ対応でです。この場合は、介護者や周りの人たちが行動を理解し、Cさんとの接し方を工夫することが適切です。
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03
もの盗られ妄想の対処には、共感し同情する方法や、話題を転換する方法が効果的です。
いかにもの盗られ妄想の世界から、他の世界に誘えるかが、介護士の腕の見せ所でもあります。
1:もの盗られ妄想は、アルツハイマー型の典型的な症状の一つです。投薬やカウンセリングなどを用いても、行動・心理症状を改善することは難しく、いかにうまく付き合っていくかを考える必要があります。
2:Cさんの目標に「Dさんの汚名返上」を掲げるのは、常識的に考えて間違っています。
4:本人の中では、ものを盗られたということは「妄想」ではなく「事実」なため、説明し理解を求めても、うまくいかない可能性の方が高いです。
5:このような対応を取るのは、興奮し自分や他人に危害を加える恐れがあり、医師がその対応を必要と判断した場合のみです。もの盗られ妄想程度では用いません。
また介護士がこのような内容を介護目標として掲げること自体があり得ない話です。
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