介護福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
総合問題 問117

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問題

介護福祉士国家試験 第30回(平成29年度) 総合問題 問117 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
Cさん(87歳、女性)は、「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになった。夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。その後、認知症(dementia)の進行に伴って夫の介護負担が増えたので、通所介護(デイサービス)を利用することになった。
ある日、介護福祉職が入浴介助をしている時、Cさんの体に複数のあざを見つけたため、介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ、夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように、短期入所生活介護(ショートステイ)の利用を勧めたが、夫は拒否した。その後も、虐待は改善されなかった。そこで、市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
入所後まもなく、夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると、「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄(はいせつ)を行い、下着を汚すことはなかった。

通所介護(デイサービス)を利用する前のCさんにみられた認知症(dementia)の症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 幻覚
  • 抑うつ
  • 見当識障害
  • 失認
  • 妄想

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この過去問の解説 (3件)

01

最も適切なものは5です。

問題文中に『「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになり、夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。」とあります。実際には起きていないことに対し、そう起こったと考えるのは妄想です。

他の選択肢については以下のとおりです。
1.幻覚は実際にないものが見えるという状態です。

2.抑うつとは気分が落ち込み、活動を嫌っている状態です。

3.見当識障害とは、現在の日時や自分のいる場所などを正しく認識できない状態です。

4.失認とは視力や聴覚などには障害がないのに、対象が認識できない状態です。

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02

1.誤
幻覚は実際には存在しないものを見たり聞いたり感じたりする症状であるため誤りです。

2.誤
抑うつは気分がふさぎこんだり、悲観的になったり、憂うつ状態などに伴い、意欲や自発性が低下する症状であるため誤りです。

3.誤
見当識障害は自分の置かれた状況が把握できなくなる症状であるため誤りです。

4.誤
失認とは目や耳、皮膚感覚、鼻、舌などの感じるために必要な体の器官に異常がないのに、五感を通じてまわりの状況を把握する機能が低下することなので誤りです。

5.正
「財布がなくなった。誰かに盗られた」と訴え、夫が盗られていないことを説明しても受け入れないとあるため、物盗られ妄想の症状といえます。

参考になった数16

03

正解は5です。
「財布がなくなった、誰かにとられた」と言って実際には取られておらず認めないことを妄想といいます。

1,幻覚は、ありもしないものが見えていることです。
2,抑うつとは、気分が落ち込んで活動を嫌っている状況です。
3,見当識障害とは、今おかれている状態、今の自分のことを理解していないことです。
4,失認とは、感覚障害、認知症、意識障害などがないのに物を識別する能力が失われることです。

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