介護福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
介護過程 問65

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

介護福祉士国家試験 第32回(令和元年度) 介護過程 問65 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、以下の問いに答えなさい。
〔事例〕
Cさん(75歳、男性、要介護1)は、脳梗塞( cerebral infarction )を発症した。2か月前から在宅復帰を目的として介護老人保健施設に入所している。次女は遠方から時々面会に来ているが、長女とは音信不通の状態が続いている。
Cさんは現在、右片麻痺で歩行には杖(つえ)を使用している。担当の理学療法士から、「レクリエーションには積極的に参加するなど意欲はあるが、歩行状態が思うように改善しないと悩んでいた」との報告があった。
その後、歩行訓練やレクリエーションに参加しなくなり、居室のベッドで寝て過ごすことが多くなった。また、時々尿失禁をするようになった。
Cさんは、「自宅に帰りたいのに、このまま車いすになったらどうしよう」と担当の介護福祉職に打ち明けた。

次の記述のうち、Cさんの短期目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 車いすの使用方法を理解する。
  • 居室のベッドで安静に過ごす。
  • 次女との同居を実現する。
  • 今まで以上に、意欲的に歩行訓練に取り組む。
  • 居室を出てレクリエーションに参加する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1. Cさんは車いすを使用したくない発言をしているので、短期目標とすることは適していません。

2.現状で居室のベッドで安静に過ごすことを目標にすると、身体の機能が更に低下する恐れがあります。短期目標とすることは適していません。

3.次女との同居を実現することは、Cさんが同居を希望する記載がありません。次女の生活も遠方になるので、短期目標とすることは適していません。

4. レクリエーションの参加が減っている状況で、参加を増やすことを短期目標とするのは効果的な支援ではありません。

5. ベッドで過ごしがちとなってしまったCさんに、まずは居室を出てレクリエーションに参加するという短期目標設定は、身体の機能を低下させないためにも必要になります。よって、5が正解です。

参考になった数43

02

問題文からは、歩行訓練やレクリエーションに参加する意欲が低下してきてしまい、ベッド上でばかり過ごすようになってしまった様子が伺えます。
Cさんの短期目標として、まずはベッドから離れる時間を作ることが必要です。

1.×
Cさんは車いすを使うことは望んでいません。

2.×
ベッド上安静が必要な状態ではありません。
できるだけ離床し、活動性をあげていく必要があるため不適切です。

3.×
Cさんは、自宅での生活は望まれているものの、次女との同居については記載がないためわかりません。
また、現段階では自宅へ帰ることは長期目標とし、自宅へ帰るために必要なことを短期目標として設定すべきです。

4.×
歩行訓練やレクリエーションを積極的に行ってきたにも関わらず、思うように歩行状態が改善しないことで思い悩み臥床しがちになってしまった経緯があります。
歩行訓練の前に、意欲を取り戻せるような支援が必要です。

5.○
ベッドから離れること、レクリエーションに参加し活動性を上げることはCさんの短期目標として適しています。

参考になった数20

03

最も適切なものは5です。
事例から「レクリエーションには参加するなど意欲はある」状況から「歩行訓練やレクリエーションに参加しなくなり、居室のベッドで寝て過ごすことが多くなった」とあります。まずは寝て過ごす状況を改善すべきです。

他の選択肢は以下のとおりです。

1.不適切です。
「このまま車いすになったらどうしよう」という不安があります。車いすを望んでいるわけではないので、不適切です。

2.不適切です。
自宅に帰りたいCさんの思いを酌んでいません。ベッドで過ごす時間を増やすことはCさんの残存能力の低下をまねきます。

3.不適切です。
「歩行訓練やレクリエーションに参加しなくなり、居室のベッドで寝て過ごすことが多くなった」ということに焦点をあてて考えるのが短期目標です。

4.不適切です。
寝て過ごすことが多くなった状態から意欲的な歩行訓練は短期目標に掲げるにはハードルが高すぎます。

参考になった数14