介護福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
認知症の理解 問83
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問題
介護福祉士国家試験 第32回(令和元年度) 認知症の理解 問83 (訂正依頼・報告はこちら)
前頭側頭型認知症( frontotemporal dementia )の症状のある人への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 周回がある場合は、GPS追跡機で居場所を確認する。
- 甘い食べ物へのこだわりに対しては、甘い物を制限する。
- 常同行動がある場合は、本人と周囲の人が納得できる生活習慣を確立する。
- 脱抑制がある場合は、抗認知症薬の服薬介護をする。
- 施設内で職員に暴力をふるったときは、警察に連絡する。
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この過去問の解説 (3件)
01
・同じ行動を繰り返す
・同じ食べ物(特に甘い物や味の濃い物)にこだわる
・脱抑制(反社会的行為)
・記憶力は保たれることが多い
これらは、脳の前頭葉側頭葉が萎縮することで起きる症状であり、本人に悪気があるわけではありません。
本人や家族が穏やかに過ごせるよう、適切な接し方やケアをすることが介護福祉職に求められています。
1.×
周徊とは、同じルートを毎日散歩する・歩き続ける行為で、徘徊とは異なります。
ルートが決まっているため、道に迷うことはあまりありません。
2.×
甘い物を食べたい衝動を無理に制限することは本人のストレスになります。
食べるものや量を決める、腹持ちのよいものにする等、本人のストレスにならない方法を考える方が適切といえます。
3.○
同じ行動を繰り返すという特徴があるため、生活をルーティン化しやすいといえます。
毎日長時間散歩をすることが周囲の人にとって負担になるのであれば、散歩を短時間にする・簡単な家事や手芸など本人の好きなことを日々のルーティンに入れる、などの工夫ができます。
本人と周囲の人、双方が負担とならない生活習慣を確立できるような支援が求められます。
4.×
前頭側頭型認知症は抗認知症薬の適応ではありません。
5.×
介護福祉職の対応としては適切とはいえません。
なぜ暴力をふるってしまうのか原因を考え、ストレスを溜めずに生活できる方法を検討、実践することが専門職の役割です。
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02
2.甘い食べ物を制限するのではなく、小分けにする等で管理することが望ましい支援なので間違いです。
3. 時間へのこだわりを活用して、本人が納得できる生活習慣を確立することは望ましい支援です。よって、3が正解です。
4.脱抑制がある場合の抗認知症薬による服薬介護は、身体拘束です。行うことは適切ではありません。
5. 施設内で職員に暴力をふるったときは、まず管理職や上司に報告をしましょう。報告ののち、利用者と話をすることが優先されます。よって、5は間違いです。
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03
常同行動とは同じことを繰り返す行動のことです。初期の場合、万引きなど反社会的な行動がみられ、やがて貧乏ゆすりのようなものや洋服のしわをのばすといった軽微なものに変わっていきます。関わりを持つことで、別な常同行動に変えていく方法もあるといいます。本人と周囲が納得できる生活習慣を確立することは良い方法です。
他の選択肢については以下のとおりです。
1.誤りです。
介護福祉職の立場で強制的にGPSをつけることはできません。
また、前頭側頭型認知症の周回は同じところを同じ時間に歩き回るという常同行動の一つなので、徘徊とは異なる点への理解も必要です。
2.誤りです。
ご本人様が楽しく食べることが大切なので、もし、バランスがとれていて許容の範囲なら無理に制限する必要はありません。
4.誤りです。
抗認知症薬ではなく、抗精神病薬です。
5.誤りです。
反社会的な行動はこの病気の特徴でもあるので、様子を見てから行動すべきです。
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