介護福祉士の過去問 第34回(令和3年度) 人間の尊厳と自立 問1
この過去問の解説 (3件)
正解は4です。
1. × 神谷美恵子は日本の精神科医で、代表的著書は「生きがいについて」です。
2. × 糸賀一雄は知的障害のある子どもたちの福祉と教育に尽力し、「社会福祉の父」とも言われています。
3. × フローレンス・ナイチンゲールはイギリスの看護師で、1845年に開戦したクリミア戦争に従軍し負傷兵の看護や医療衛生改革に尽力しました。
4. ○ ミルトン・メイヤロフはアメリカの哲学者で、代表的著書は「ケアの本質―生きることの意味」です。
5. × ベンクト・ニィリエは、「ノーマライゼーションの8原則」を提唱し、ノーマライゼーションの概念を世界中に広めました。
正解は4です。
メイヤロフは、ケアする側、される側の関係性が対等ではなくケアする側の態度を問題視し
誰かの役に立つことにより、自己の幸福につながり、自分以外の人や物をケア出来なければ、自分のケアも出来ないと唱えました。
1→精神科の医師で、ハンセン病(ライ病)患者の為に生涯を捧げた人です。
代表的な著書は、「生きがいについて」で、「人間がもっとも生きがいを感じるのは、自分がしたいと思うことと義務とが一致した時だと思われる。」との明言を残しました。
2→障害者教育や福祉に尽力を注ぎ、第二次世界大戦後の日本の社会福祉の発展に先駆的役割を果たした第一人者です。
3→イギリスの看護婦であり、クリミア戦争で日夜運ばれてくる負傷者に対し献身的な介護をし「クリミアの天使」と呼ばれました。
5→「ノーマライゼーション」の育ての親であり
⑴一日のノーマルなリズム
⑵一週間のノーマルなリズム
⑶一年間のノーマルなリズム
⑷ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験
⑸ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
⑹ノーマルな性的関係
⑺ノーマルな経済水準とそれを得る権利
⑻ノーマルな環境形態と水準
の「ノーマライゼーションの8原理」を提唱し、「ノーマライゼーションの原理」を定義づけました。
社会福祉の発展に寄与してきた人物とその著書や功績はセットで覚えておくとよいでしょう。
神谷美恵子は精神科医です。ハンセン病療養施設に勤め、その経験から「生きがいとは何か・生きがいがいかに大切なものか」ということについて記した『生きがいについて』が代表作です。
糸賀一雄の著書は『この子らを世の光に』です。知的障害児・者の発達に着目した思想で注目をあび、近江学園やびわこ学園を創設しました。戦後日本の障害者福祉を切り開いた第一人者として「社会福祉の父」とも呼ばれています。
フローレンス・ナイチンゲールは近代的な看護を確立したイギリスの看護師です。統計学などを用いて戦地での死者を大幅に減らしたり、看護学校を設立したり、医療制度の改革に大きく貢献した人物です。
ミルトン・メイヤロフはアメリカの哲学者です。ケア理論を最初に取り上げた人物であり、その後のケア理論の起源となっている著書『ケアの本質』では「ケアする人とケアされる人の相互関係」について論じています。
ベンクト・ニィリエはスウェーデンの医師です。「ノーマライゼーションの育ての親」といわれ「ノーマライゼーションの8原理」を提唱し、世界中に広めることに貢献しました。
他に、以下の人物も覚えておくとよいでしょう。
・フランクル…精神科医でアウシュビッツ強制収容所からの生還者。生命が制限される状況において、いかなる態度を取るかという価値観について『夜と霧』『死と愛』などを著作しました。
・リッチモンド…「ケースワークの母」ケースワークという言葉を初めて使った人物。現在の社会福祉・介護福祉に影響を及ぼす著書『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』をまとめました。
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