介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
生活支援技術 問60

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問60 (訂正依頼・報告はこちら)

死亡後の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 死後硬直がみられてから実施する。
  • 生前と同じように利用者に声をかけながら介護を行う。
  • 義歯を外す。
  • 髭剃(ひげそ)り後はクリーム塗布を控える。
  • 両手を組むために手首を包帯でしばる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:2

1:×

→呼吸停止から1~2時間ほどで死後硬直が始まります。死後硬直が始まると関節が固まりエンゼルケアが困難となるため、死後硬直が始まる前にエンゼルケアを済ませるようにすることが大切です。

2:〇

→たとえ死亡したとしても、故人の人権は守られなければなりません。生前の頑張ってきたことへの労いや本人との思い出を言葉にして語りかけながらエンゼルケアを行うとよいでしょう。

3:×

→エンゼルケアは、元気だったころの本人の容貌に近づけることも目的の一つです。一度義歯を外すと死後硬直により再度装着することが困難となります。本人の見た目を整える点からも、義歯は外さずにケアを行いましょう。

4:×

→髭剃り後やクリームを塗布したり保湿を心掛けたりしましょう。これらの処置を怠ると皮膚が変色し、エンゼルケアの目的が損なわれてしまいます。

5:×

→手首を包帯で縛ると、縛ったところが変色したり傷ついたりしてしまいます。また、むくんでしまう原因ともなります。このため、エンゼルケアの意義の観点から、手首を縛ることは適切ではありません。

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02

正解は 2 です。

1.× 死亡後のケア(エンゼルケア)として、口腔ケアや清拭・着替えなどを行います。筋肉が固くなり、関節が動かしにくくなる死後硬直は1~2時間後に始まるのでそれまでに終了する必要があります。

2.○ 利用者の尊厳を守り、これまで人生にねぎらいの気持ちを込めてケアを行うという意味で、この選択肢が最も適切であると考えられます。家族も一緒にエンゼルケアを行う場合もあります。家族と悲しみを共有し気持ちに寄り添うという観点からも、生前と同じように声かけをしながらケアを行うのがよいでしょう。

3.× エンゼルケアの目的は死によって起こる外観の変化を目立たなくし、生前の面影をできる限り維持することにあります。歯の有無で顔の印象は大きく変わるので、一般的には義歯を装着します。

4.× エンゼルケアの髭剃り後に保湿を怠ると、皮膚が赤黒~黒色に変色する「革皮様化」といわれる現象が起きます。それを避けるためにも肌に負担のないよう髭剃りを行い、その後は十分に保湿することが大切です。

5.× 両手を組むために手首を縛ると手背の浮腫の原因となったり、皮膚の変色や傷の原因になったりすることがあります。そのような事態を避けるためにもこの選択肢は適切ではありません。

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03

この設問は、死後のケア(エンゼルケア)についての設問です。エンゼルケアについて整理しておくとよいでしょう。

選択肢1. 死後硬直がみられてから実施する。

1:×

死後硬直は、死後1~2時間経過して起こる筋肉の硬直です。

関節が固くなり、着替えや口腔のケアが困難になってしまいます。

死後硬直が始まる前にエンゼルケアを行うとよいでしょう。

選択肢2. 生前と同じように利用者に声をかけながら介護を行う。

2:〇

エンゼルケアは、故人が生前に近い姿になるように処置する死後ケアのことです。

故人が尊厳のある旅立ちができるよう、生前と同じようにケアをすることは大切です。

選択肢3. 義歯を外す。

3:×

生前に近い姿になるようにケアをすることが大切です。

義歯を外すと顔貌が変化します。装着したままケアをしましょう。

選択肢4. 髭剃(ひげそ)り後はクリーム塗布を控える。

4:×

死後は、表皮を栄養する血液や体液の供給や創部からの痂疲や肉芽の形成などがないため、

乾燥が進んでしまい、皮膚が赤黒く変色してしまいます。

乾燥を防ぐため髭剃り後、クリームの塗布は必要です。

選択肢5. 両手を組むために手首を包帯でしばる。

5:×

手首を包帯でしばると、変色や傷の原因となります。

ケアとして不適切です。

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