介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
介護過程 問62

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 介護過程 問62 (訂正依頼・報告はこちら)

介護過程における情報収集に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 利用者の日常生活の困難な部分を中心に収集する。
  • 利用者との会話は解釈して記載する。
  • 他の専門職が記載した記録は直接的な情報として扱う。
  • 利用者の生活に対する思いを大切にしながら収集する。
  • 情報収集はモニタリング(monitoring)を実施してから行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:4

1:×

→情報収集は日常生活において困難な部分だけでなく、「できること」「得意なこと」のようなポジティブな内容についても把握する必要があります。自分でできていることや、工夫すればできるようになりそうなことを把握しておけばQOL向上に向けた支援に役立つからです。

2:×

→利用者との会話は解釈して記載するのではなく、本人が発した言葉をそのまま記載します。聞き取った側の解釈が入ると主観的なものになってしまい、支援者側の都合がいいように解釈されたり、意思が誤解されたりしてしまいます。

3:×

→他の専門職が記載した記録は直接的な情報としてではなく、第三者が確認した「客観的情報」として取り扱います。これとは別に、利用者や家族から聞き取った直接的な内容は「主観的情報」として整理されます。

4:〇

→利用者本人や家族の想いは、介護過程を展開する上で本人の意思を示す非常に重要な「主観的情報」となります。介護過程の本質は、「利用者が望む生活を実現する」という所にあるからです。

5:×

→介護過程における「モニタリング」とは、ケアプランに基づき提供されるサービスが適切に実施されたか、実施した結果どのような効果を得たか等を確認することです。これに対し、情報収集はケアプランを作成(修正)する前に行われる「アセスメント」の一環として行われるものです。アセスメント(情報収集)→課題分析→プラン作成→サービス実施→モニタリング→プラン評価→アセスメント…の順で繰り返されることから、設問の説明は適切ではありません。

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02

正解は 4 です。

1.× 困難な部分の情報を収集することも大切ですが、「できない」ことだけでなく「できる」ことについても情報収集する必要があります。それが個人の能力を最大限発揮し、個別的なケアを実践することにつながるので、この選択肢が最も適切であるとはいえません。

2.× 解釈とは「受け手側から理解する」という意味で、情報収集する側の先入観偏見が含まれてしまう場合があります。発せられた言葉の意味を生活につかみ、特に核となりそうな生活課題についての発言はそのままの言葉で記載するのがよいでしょう。

3.× 他の専門職が収集・記載した情報は、身体や行動の観察・家族関係などと同様に客観的情報として扱います。情報収集をする際、まずは利用者とコミュニケーションを取りながら主観的情報から集めるのがよいでしょう。

主観的情報…その人の考え方や感情、ものの見方など

客観的情報…情報収集者が観察することで得られる情報

4.○ 介護過程の目的は「利用者が望むよりよい生活を実現する」ことにあります。これまでどのような思いで生活をしてきたか、これからどのような生活を送りたいかを丁寧に聞き取ることが大切です。

5.× 情報収集は、介護の必要性を総合的に判断するための「アセスメント」の初期段階として行い、続けて「情報の解釈・関連づけ・統合化」「課題の明確化」を行います。なので、この選択肢が最も適切であるとはいえません。

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03

介護過程に関する問題です。

介護過程は、アセスメント、計画立案、介護の実施、評価の4つのプロセス(過程)から成り立っています。

選択肢1. 利用者の日常生活の困難な部分を中心に収集する。

答:×

困難部分に注目することも大切ですが、

できることに注目して、ケアを実施することが大切です。

選択肢2. 利用者との会話は解釈して記載する。

答:×

利用者との会話は解釈せずに、そのままを記載します。

解釈者の主観がはいってしまい、利用者の意図に反する記載になる可能性があります。

選択肢3. 他の専門職が記載した記録は直接的な情報として扱う。

答:×

他の専門職が記載した情報は、第三者の情報なので客観的情報として扱います。

選択肢4. 利用者の生活に対する思いを大切にしながら収集する。

答:〇

介護過程では、利用者の生活に対する思いを大切にして、

希望する生活が送れることを目標に、

現在生じている生活上の課題を解決し、

QOLの向上をはかることを目的としています。

選択肢5. 情報収集はモニタリング(monitoring)を実施してから行う。

答:×

モニタリングは、ケアプランに沿った介護サービスが利用者に適切に提供されているかを

利用者や家族に定期的に確認することです。

情報収集は介護過程の1つ目のプロセスである「アセスメント」の為に必要です。

そのためこの選択肢が適切とはいえません。

まとめ

介護過程についての設問です。それぞれの選択肢について整理して覚えておくとよいでしょう。

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