介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
人間の尊厳と自立 問1
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問題
介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 人間の尊厳と自立 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(76歳、女性、要支援1)は、一人暮らしである。
週1回介護予防通所リハビリテーションを利用しながら、近所の友人たちとの麻雀(まーじゃん)を楽しみに生活している。
最近、膝に痛みを感じ、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断された。同時期に友人が入院し、楽しみにしていた麻雀ができなくなった。Aさんは徐々に今後の生活に不安を感じるようになった。ある日、「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの…」と介護福祉職に話した。
Aさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
週1回介護予防通所リハビリテーションを利用しながら、近所の友人たちとの麻雀(まーじゃん)を楽しみに生活している。
最近、膝に痛みを感じ、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断された。同時期に友人が入院し、楽しみにしていた麻雀ができなくなった。Aさんは徐々に今後の生活に不安を感じるようになった。ある日、「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの…」と介護福祉職に話した。
Aさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 要介護認定の申請を勧める。
- 友人のお見舞いを勧める。
- 膝の精密検査を勧める。
- 別の趣味活動の希望を聞く。
- 生活に対する思いを聞く。
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この過去問の解説 (2件)
01
Aさんの個別支援に関する問題で、実際の介護現場においても同様のケースに関わる頻度は多くあると思います。Aさんの立場にたって考えると回答しやすいと考えます。
× 相手の意向を聞かないで、いきなり要介護認定を勧めると思わぬトラブルになります。相手は困っていても介護保険を使いたくないかもしれません。また、介護保険サービス=高齢者が使うものというイメージが先行していれば、高齢者扱いされたくない方からすると、悪い印象を持っていることがあります。まずは、本人の意向を聞いてから申請するように心がけましょう。
× 友人のお見舞いとAさんの今後の生活に対する不安は別な事です。まずは、Aさんの思いや悩みを傾聴する姿勢で聞きましょう。
× 膝の検査を受けたので「変形性膝関節症」と診断されています。Aさんがそれ以上の検査を望むのであれば、精密検査もよいかもしれませんが、決めるのは担当医になります。問いに対する答えとして適切ではありません。
× Aさんが不安に思うことは、膝の痛み以外にもあるはずです。何に悩み、何が課題となるのか支援者としてアセスメントする力が必要になります。
〇 まずはAさんの悩みや思いを傾聴する姿勢が求められます。その上で、どのような介護サービスを使うか考えましょう。
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02
この問題のポイントは、Aさん(76歳、女性、要支援1)の「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの・・・」という発言に対する介護福祉職の対応はどれが適切か、ということです。
×
現在、Aさんは、要支援1の認定を受けています。
細かいことですが、要支援認定を受けている為、要介護認定の(新規)申請はできず、もし仮に申請をする場合でも、区分変更申請となります。
また、ご本人からの「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの・・・」という発言に対して、何が心配なのかを聞かずに要介護認定の申請を勧めるのは不適切であると考えられます。
×
Aさんの発言は、自分自身のことであり、友人の見舞いをしたからといって、その心配がなくなるわけではありません。
まずは何が心配なのかを知ることが優先されます。
×
すでに、病院で精密検査をして、変形性膝関節症の診断を受けています。
また、Aさんが何を心配しているのかを聞かずに、膝の精密検査を勧めることが、Aさんの心配解消に繋がるかは分からず、反対に更なる心配を抱くきっかけになる可能性もあります。
まずはAさんが何を心配しているのかを聞くことが必要です。
×
この選択肢も、「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの・・・」というAさんの発言に対する対応としては適切とは言えません。
別の趣味活動を探すことは悪いことではありませんが、友人が入院したからといってAさんが麻雀ができなくなった訳ではありません。
もし仮にAさんの心配事が、麻雀ができなくなったことであったとしても、麻雀ができる集いや介護保険サービス(通所系等)を探すことはできます。
加えて、Aさんの心配事が何か分からないままでの対応は適切とは言えません。
○
「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの・・・」というAさんの発言に対して、まずは、Aさんが生活に対するどのような思い(不安等)を抱いているのかを聞くことが必要となります。
冒頭でも書きましたが、この設問は、Aさんの「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの・・・」という発言に対する介護福祉職の対応で適切なものはどれか、という問題となっています。
問題文の中に、心配事が何か、ということが書かれていない為、『心配事(Aさんの思い)を聞く』という文言が含まれる選択肢を選ぶことがポイントとなります。
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