大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問17 (現代社会(第3問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問17(現代社会(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のホシノさんは、大学が高校生にも講義の受講を認めるプログラムに参加し、講義が終わってから疑問や興味をもった点について自分で調べ、講義内容と併せて分かりやすくまとめるよう指導を受けた。そこでホシノさんは講義終了後に、指導のとおりノートをまとめることにした。これに関する次の問いに答えよ。

ホシノさんは講義を聴いていて、貨幣制度が資金不足による倒産や失業の元凶である気がした。そこで、そもそもそれが維持されている理由を知るために貨幣の役割を調べることにした。その結果ホシノさんは、貨幣には価値尺度、交換(流通)手段、支払い手段、価値貯蔵(保蔵)手段の四つの機能があるという教科書の記述を見つけた。このうち、貨幣を価値貯蔵(保蔵)手段として用いた事例として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • ある織物業者は傘を手に入れたいと思っているが、自分の作ったタオルと引き換えてくれる傘の所有者は見つけにくいので、タオルを売って貨幣に換え、その貨幣で傘を買った。
  • ある資産家が土地や建物、自動車、宝石などのかたちで保持している自分の資産の価値を把握する上で、それぞれの資産の単位(広さや台数など)をそのまま使うと分かりにくいので、すべて日本円に換算して合計した。
  • ある会社員は、郊外の自宅の庭で自家消費分以上のナスを収穫したが、余った分をそのままもっていてもいずれ腐敗により価値が激減してしまうので、自家消費する分以外はすべて貨幣に換えて預金口座に入れた。
  • ある町工場の社長は原材料を大量に仕入れたが、その対価となる資金が十分には手元になかったので、約束手形を振り出し、後日当座預金からの引落としにより債務を返済した。

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この過去問の解説 (1件)

01

貨幣の四つの手段に関する問題です。

 

価値尺度:モノの価値がどれくらいかを表す指標となります。

交換手段:どんなモノとも交換する手段になります。

支払手段:支払いのときに使用することができます。

価値貯蔵手段:価値を損なうことなく、維持することができます。

選択肢1. ある織物業者は傘を手に入れたいと思っているが、自分の作ったタオルと引き換えてくれる傘の所有者は見つけにくいので、タオルを売って貨幣に換え、その貨幣で傘を買った。

誤りです。

 

交換手段の例です。

タオルでは交換できなかったのが、貨幣に変換することで交換が可能になっています。

選択肢2. ある資産家が土地や建物、自動車、宝石などのかたちで保持している自分の資産の価値を把握する上で、それぞれの資産の単位(広さや台数など)をそのまま使うと分かりにくいので、すべて日本円に換算して合計した。

誤りです。

 

価値尺度の例です。

貨幣に換算することで、価値の比較が可能になっています。

選択肢3. ある会社員は、郊外の自宅の庭で自家消費分以上のナスを収穫したが、余った分をそのままもっていてもいずれ腐敗により価値が激減してしまうので、自家消費する分以外はすべて貨幣に換えて預金口座に入れた。

正しいです。

 

価値貯蔵手段の例です。

腐りやすい(価値が低下する)野菜を、価値が変化することなく保存できる貨幣に変えています。

選択肢4. ある町工場の社長は原材料を大量に仕入れたが、その対価となる資金が十分には手元になかったので、約束手形を振り出し、後日当座預金からの引落としにより債務を返済した。

誤りです。

 

支払手段の例です。

債務の返済に貨幣に使用しています。

まとめ

貨幣の四つの機能は非常に重要です。全て押さえておきましょう。

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