大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問31 (倫理(第1問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問31(倫理(第1問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生AとBが交わした次の会話を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのAとBは各々全て同じ人物である。

A:浮かない顔をしているね。
B:うーん。実は、友達とあることについて話していたら、言い争いになったんだよね。向こうは「自分の考えの方が正しい、a 真理なんだ」って言い張っていて、嫌になっちゃったよ。
A:それでどうしたの?
B:ただ黙ってやり過ごしたよ。議論にもb 礼儀やマナーが必要だし、あれだけ強く言われると、相手にするのが面倒くさくなっちゃった。
A:それはダメでしょ。とにかく、c 異なった見方や考えを持った相手に対しては、議論に勝って、自分の正しさを示さないと。
B:そうかな?黙って受け流した方がいいと思うけど…。その方が相手を傷つけることもなくてd 人間の生き方としてふさわしいと思うし、こっちも不快な思いをしなくて済むしね。

下線部aに関して、様々な宗教や思想家による真理についての説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • ソクラテスは、ソクラテス自身が持っている真理を、対話相手に教え込むために、産婆術(助産術)に喩(たと)えられる対話活動を重ねた。
  • イスラームにおいて、ムハンマドは、神の真理の言葉を託された者であり、彼によって示された言行・慣行も、信者の生活規範となっている。
  • 中世ヨーロッパのスコラ哲学では、神学は哲学に仕えるべきものとされ、哲学の真理は信仰に基づく神学の真理に優越すると考えられた。
  • ブッダは、生来の身分ごとに異なる義務をそれぞれ全うすることで、真理を体得できると説いた。

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この過去問の解説 (1件)

01

真理に関する思想の問題です。

選択肢1. ソクラテスは、ソクラテス自身が持っている真理を、対話相手に教え込むために、産婆術(助産術)に喩(たと)えられる対話活動を重ねた。

誤りです。

 

産婆術とは、相手と問答を繰り返すことにより、相手に自信の無知を自覚させることで合って、ソクラテス自身の持つ真理を教え込むものではありません。

 

なお、ソクラテスは自身が無知であることを自覚しており(無知の知)、真理を持っていたとは言えません。

選択肢2. イスラームにおいて、ムハンマドは、神の真理の言葉を託された者であり、彼によって示された言行・慣行も、信者の生活規範となっている。

正しいです。

 

イスラームにおいてクルアーンが神の真理の言葉であり、ムハンマドによって示された言行・慣行を守ることが信者の生活規範となっています。

選択肢3. 中世ヨーロッパのスコラ哲学では、神学は哲学に仕えるべきものとされ、哲学の真理は信仰に基づく神学の真理に優越すると考えられた。

誤りです。

 

逆です。神学の真理が哲学の真理に優越します(「哲学は神学の侍女である」)。

選択肢4. ブッダは、生来の身分ごとに異なる義務をそれぞれ全うすることで、真理を体得できると説いた。

誤りです。

 

ブッダは身分を否定しています。

ヒンドゥー教の考えです。

まとめ

選択肢の文章の細かいところに誤りがありました。文をしっかり読むようにしましょう。

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