大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問36 (倫理(第1問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問36(倫理(第1問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生AとBが交わした次の会話を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのAとBは各々全て同じ人物である。

A:浮かない顔をしているね。
B:うーん。実は、友達とあることについて話していたら、言い争いになったんだよね。向こうは「自分の考えの方が正しい、a 真理なんだ」って言い張っていて、嫌になっちゃったよ。
A:それでどうしたの?
B:ただ黙ってやり過ごしたよ。議論にもb 礼儀やマナーが必要だし、あれだけ強く言われると、相手にするのが面倒くさくなっちゃった。
A:それはダメでしょ。とにかく、c 異なった見方や考えを持った相手に対しては、議論に勝って、自分の正しさを示さないと。
B:そうかな?黙って受け流した方がいいと思うけど…。その方が相手を傷つけることもなくてd 人間の生き方としてふさわしいと思うし、こっちも不快な思いをしなくて済むしね。

AとBは、次の資料1・資料2を見付け、先生と3人で後の会話を交わした。会話中の下線部1〜4は、それぞれ資料1・資料2から読み取れる内容の説明、ならびに老子・旧約聖書についての説明である。その内容として適当でないものを1〜4のうちから一つ選べ。

資料1 『老子』からの引用
有と無、難と易、長と短・・・(という対立する言葉や概念)は、互いに依存し合い相対的な関係にある。ゆえに、聖人は無為を決め込み、言葉に依(よ)らない教えを実行するのだ。

資料2 旧約聖書「ヨブ記」からの引用
主はヨブに言われた。非難する者が全能者と言い争うのか。・・・ヨブは主に答えた。私は取るに足りない者。何を言い返せましょうか。・・・それゆえ、私は自分を退け塵(ちり)と灰の上で悔い改めます。

A:資料1も資料2も、黙することの大切さを説いているようだね。
B:資料1では、様々な言葉や概念は相対的なものにすぎないから、聖人は言葉に依らない教えを行うと言われているよ。
A:授業で、老子は、人々が道から外れて、文明や道徳を人為的に作ったことを批判したって習ったね。資料1はそれと関連しているのかな。
B:資料2はどうだろう。旧約聖書の「ヨブ記」は、様々な不幸に見舞われたヨブが、全能者である神にその理由を問いかける物語らしいね。
A:「旧約」って、古くからの伝統に基づく神との契約という意味で、ユダヤ教徒自身が誇りを持ってそう呼ぶようになったんだよね。
B:資料2では、ヨブが自らの卑小さを忘れて、その神と言い争おうとした自分を反省している様子が描かれているね。
A:うーん、むやみに議論を追い求めるのが正しいわけでもないのか…。
先生:一か所誤りもありますが、資料1・資料2を基によく考えていますね。
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