大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問43 (倫理(第2問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問43(倫理(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

以下を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのC、D、先生は各々全て同じ人物である。

次の会話は、「理想」について調べていたCとDが、日本の近世の思想について先生と交わしたものである。

C:近世ではどんな理想が思い描かれていたんだろう?
D:例えば、伊藤仁斎は、日常において道が実現されることを重視して、日々の生活における人と人との和合が大切だと説いていたね。
C:本居宣長の説いたd 真心も、一つの理想と捉えて良いのかな?
先生:いずれも人間のあるべき姿を追求したものと捉えて良いでしょう。あるべき姿について考えることは、e 日々の生活や、自分の心のあり方を見つめ直すことにつながりますね。

下線部eに関連して、安藤昌益についての説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • 町人が経済的な力を持つようになったことを背景として、町人としての生き方を積極的に肯定し、「ただの町人こそ楽しけれ」と唱えた。
  • 天道を受け止めながらも、ひたむきに努力する人道の大切さを説き、分をわきまえて倹約に努める報徳の実践を重視した。
  • あらゆる差別と搾取を排除した平等な社会を理想とし、武士が農民を支配するような封建的な社会のあり方を、法世として批判した。
  • 人間が本来持っている心情と、社会において守るべき道徳との葛藤に着目し、その相克に苦しみながら生きる人間の姿を浄瑠璃に描いた。

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この過去問の解説 (1件)

01

安藤晶益の思想に関する問題です。

 

安藤昌益は江戸時代の思想家です。万人が平等に耕す(万民直耕)世を自然世と呼び、理想であるとしました。一方、農民に寄生している武士が統治する現実社会を法世と呼び、批判しました。

選択肢1. 町人が経済的な力を持つようになったことを背景として、町人としての生き方を積極的に肯定し、「ただの町人こそ楽しけれ」と唱えた。

誤りです。

 

天文学者の西川如見の唱えた内容です。

選択肢2. 天道を受け止めながらも、ひたむきに努力する人道の大切さを説き、分をわきまえて倹約に努める報徳の実践を重視した。

誤りです。

 

報徳思想は、二宮尊徳の思想です。

報徳思想と社会のためにそれぞれのものや人に備わっている長所や美徳である徳を生かすという思想です。

選択肢3. あらゆる差別と搾取を排除した平等な社会を理想とし、武士が農民を支配するような封建的な社会のあり方を、法世として批判した。

正しいです。

 

安藤昌益は農民による平等な社会を理想として唱えました。

選択肢4. 人間が本来持っている心情と、社会において守るべき道徳との葛藤に着目し、その相克に苦しみながら生きる人間の姿を浄瑠璃に描いた。

誤りです。

 

浄瑠璃に描いたのは近松門左衛門です。

まとめ

細かい知識も多かったですが、安藤昌益の思想を押さえていれば迷うことはなかったでしょう。

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