大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問21 (現代社会(第3問) 問6)
問題文
先生は「このモデルの条件のなかでも、労働力という商品は普通の商品と違うことが重要なんだ。例えば、産業間の労働移動は実際には簡単ではないし、また、普通の商品は売れなければ価格を下げて処分できるけど、労働者は生活ができないような低い賃金で雇用に応じることはできないからね」と教えてくれた。モリタさんは「労働力という商品が普通の商品と違うからこそ様々な法律や制度が存在するんだな」と気付き、先生と話すことで、意図せず国際経済や労働などの大事な問題を考えられて良かったと思い、先生にお礼を言って話を終えた。
日本の労働に関する記述として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問21(現代社会(第3問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
先生は「このモデルの条件のなかでも、労働力という商品は普通の商品と違うことが重要なんだ。例えば、産業間の労働移動は実際には簡単ではないし、また、普通の商品は売れなければ価格を下げて処分できるけど、労働者は生活ができないような低い賃金で雇用に応じることはできないからね」と教えてくれた。モリタさんは「労働力という商品が普通の商品と違うからこそ様々な法律や制度が存在するんだな」と気付き、先生と話すことで、意図せず国際経済や労働などの大事な問題を考えられて良かったと思い、先生にお礼を言って話を終えた。
日本の労働に関する記述として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 使用者が、18歳以上の女性に深夜労働させることは、労働基準法において原則として禁止されている。
- 労働組合の結成を使用者が妨害するなどの不当労働行為を禁止しているのは、労働関係調整法である。
- 裁量労働制の対象となる業務の範囲は、労働基準法の改正によって拡大されている。
- 正規雇用の労働者に対する成果主義に基づく賃金体系は、年功序列型賃金と呼ばれる。
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は「裁量労働制の対象となる業務の範囲は、労働基準法の改正によって拡大されている」です。
以下、解説になります。
上記のような規制は、労働基準法にはありません。
例として、深夜のコンビニなどで18歳以上の女性が働いていることが挙げられます。
労働関係調整法は、労働関係の公正な維持及び労働争議の予防・解決などを規定した法律です。
この点、不当労働行為の禁止を規定するのは、労働関係調整法ではなく労働契約法です(労働契約法7条)。
労働基準法は、使用者から労働者を守るための法律です。その中には、裁量労働制の対象となる業務の範囲も規定されています。
成果主義に基づく賃金体系とは、業務の成果に応じた報酬を受けられることを意味します。
一方、年功序列型賃金とは、業務の成果に関係なく、年齢に応じて報酬を受けられることを意味します。
労働関係の法律は、労働法のみならず様々な種類の関連法があります。
この問題を契機として、どのような関連法が存在するのか確認しておくとよいでしょう。
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02
日本だけでなく、世界のほとんどの国では、労働市場において弱い立場に立つ労働者を保護する法律・制度が準備されています。
日本においては、労働三法と呼ばれる労働基準法・労働組合法・労働関係調整法その他の法律・制度が整っています。
この問題は、これらの労働関係諸法令に関する基礎知識を問う問題です。
使用者が、18歳以上の女性に深夜労働をさせることは、かつての労働基準法で定めされていましたが、
1999年の労働基準法改正で、廃止されています。
従って、不正解です。
労働組合の結成を妨害するなどの不当労働行為を禁止するのは、労働組合について定めている労働組合法です。
労働関係調整法は、実際に労働者が使用者とストライキなどの争議を行う際の具体的な細則を規定したものです。
従って、不正解です。
裁量労働制の対象となる業務の範囲は、労働基準法の改正によって拡大されているとありますが、
労働基準法の複数の改正により、裁量労働制(労働者が自己の裁量で労働時間を決めることができる成果主義的な賃金制度)
の適用対象業務は拡大しています。
従って、正解です。
正規雇用の労働者に対する成果主義に戻づく賃金体系は、成果主義型賃金と呼ばれます。
従って、不正解です。
労働者を保護する法律・制度は多岐にわたり、よりよい労働環境の形成のため継続的に改正・改善されています。
皆さんが勉強される際には、常に最新の情報に留意しましょう。
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