大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問23 (現代社会(第4問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問23(現代社会(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のイトウさんは、現代社会の授業で、「世代間の公平」に関する様々な問題について学び、特に年金と財政の問題に興味を抱いた。帰宅したイトウさんは、これらの問題についてより詳しく調べることにした。次の問いに答えよ。

祖父と話した後、イトウさんは、公的年金の財源に関する方式として、積立方式が優れているのではないかと考えた。しかし、いくつかの方式を比較するうちに、各方式にはそれぞれメリットとデメリットがあることが分かった。次のア〜ウは公的年金の財源に関する方式の記述であり、X~Zは各方式の特徴の記述である。そのうち積立方式にあたる財源に関する方式とその特徴の組合せとして最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。

財源に関する方式
ア  保険料ではなく、税金を財源にして給付を行う。
イ  一定期間に支給する年金を、その期間の現役労働者の保険料で賄う。
ウ  現役時代に納めた自身の保険料で、将来の年金給付を賄う。

特徴
X  インフレや給与水準の変化に対応しやすいが、現役世代に対する年金受給世代の比率が高まると、保険料負担の増大や年金受給額の削減が必要となることがある。
Y  人口構成の変動の影響は受けにくいが、急激なインフレによって将来受け取る予定の年金の価値が目減りすると、高齢者の生活を支えるという公的年金の役割を果たせなくなることがある。
Z  保険料の未納の問題は生じないが、負担した額に関わりなく年金を受け取ることができるため、負担と給付の関係が曖昧になりやすい。
  • ア ― X
  • ア ― Y
  • ア ― Z
  • イ ― X
  • イ ― Y
  • イ ― Z
  • ウ ― X
  • ウ ― Y
  • ウ ― Z

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「ウーY」です。

以下、解説になります。

イは、一定期間の年金を現役労働者の保険料で補填するというものです。この場合、年金受給額の削減が必ずしも結論付けられるわけではないので、Xには合致しません。また、一時的に高齢者の生活を支えるという公的年金の役割が果たせるため、Yには合致しません。さらに、支給された年金を現役労働者の保険料で賄うことが明確であるので、負担と給付の関係がはっきりしています。したがって、Zの内容には合致しません。

選択肢1. ア ― X

アは、保険料ではなく税金を財源にした給付を謳っています。この場合、年金受給世代の比率の高まりは関係なく保険料負担が増大するので、Xには合致しません。

 

選択肢2. ア ― Y

アは、保険料ではなく税金を財源にした給付を謳っています。この場合、高齢者の生活と関連性は希薄なため、Yにも当てはまりません。

 

選択肢3. ア ― Z

アは、保険料ではなく税金を財源にした給付を謳っています。この場合、保険料負担が増大することで未納の問題も生じる可能性があるため、Zにも合致しません。

選択肢4. イ ― X

イは、一定期間の年金を現役労働者の保険料で補填するというものです。この場合、年金受給額の削減が必ずしも結論付けられるわけではないので、Xには合致しません。

選択肢5. イ ― Y

イは、一定期間の年金を現役労働者の保険料で補填するというものです。この場合、一時的に高齢者の生活を支えるという公的年金の役割が果たせるため、Yには合致しません。

選択肢6. イ ― Z

イは、一定期間の年金を現役労働者の保険料で補填するというものです。この場合、支給された年金を現役労働者の保険料で賄うことが明確であるので、負担と給付の関係がはっきりしています。したがって、Zの内容には合致しません。

選択肢7. ウ ― X

ウは、過去に納めた自身の保険料で将来の年金給付を賄うものです。この場合、保険料負担の増大や年金受給額削減が必要とは限らないため、Xは誤りです。

選択肢8. ウ ― Y

正解は、この肢です。

過去の保険料を将来的な年金で補填する場合、急激なインフレなどの経済事情によって年金の価値が下がる可能性が生じます。

選択肢9. ウ ― Z

ウは、過去に納めた自身の保険料で将来の年金給付を賄うものです。

この場合、過去の保険料によって、年金の額も相関します。そのため、負担した額に関係なく年金を受け取れるとしたZは不正解です。

まとめ

財源に関する問題は、苦手意識をもつ人が多いです。その傾向を活かし、得意分野にしておくと得点源になるでしょう。

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02

積立方式とは、受給者が将来の自らの受給する年金原資を毎月積立をしておく方式で、

将来の年金額の減少を避けることができるメリットがあるが、将来の経済状況の変化やインフレへの対応に弱いという側面があります。

この積立方式のほか、いろいろな財源方式が考えられ、この問題はそれらの各方式についての理解を問う問題です。


 

選択肢1. ア ― X

ア 税金による方式です。

X   賦課方式の説明です。

賦課方式は、インフレ等の経済状況の変化に対応しやすい一方、現役世代への負担が過重になる場合があるのが問題点です。

従って、不正解です。

選択肢2. ア ― Y

ア 税金による方式です。

Y    積立方式の説明です。

従って、不正解です。

選択肢3. ア ― Z

ア 税金による方式です。

Z    税金による方式です。

自動的に保険料を徴収できるので、

保険料の未納の問題は生じないが、

負担と給付の関係が曖昧になり、

社会の意識改革が求められます。

従って、不正解です。

選択肢4. イ ― X

イ 賦課方式の説明です。

現行の年金保険料の方式です。

X   賦課方式の説明です。

賦課方式は、インフレ等の経済状況の変化に対応しやすい一方、現役世代への負担が過重になる場合があるのが問題点です。

従って、不正解です。

選択肢5. イ ― Y

イ 賦課方式の説明です。

現行の年金保険料の方式です。

Y    積立方式の説明です。

従って、不正解です。

選択肢6. イ ― Z

イ 賦課方式の説明です。

現行の年金保険料の方式です。

Z    税金による方式です。

自動的に保険料を徴収できるので、

保険料の未納の問題は生じないが、

負担と給付の関係が曖昧になり、

社会の意識改革が求められます。

従って、不正解です。

選択肢7. ウ ― X

ウ 積立方式の説明です。

X   賦課方式の説明です。

賦課方式は、インフレ等の経済状況の変化に対応しやすい一方、現役世代への負担が過重になる場合があるのが問題点です。

従って、不正解です。

選択肢8. ウ ― Y

ウ 積立方式の説明です。

Y    積立方式の説明です。

従って、正解です。

選択肢9. ウ ― Z

ウ 積立方式の説明です。

Z    税金による方式です。

自動的に保険料を徴収できるので、

保険料の未納の問題は生じないが、

負担と給付の関係が曖昧になり、

社会の意識改革が求められます。

従って、不正解です。

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