大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問30 (現代社会(第5問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問30(現代社会(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

現代社会の授業で先生から、「これまでの授業で学習したことのなかで特に関心をもったことをテーマに取り上げ、さらに深めてレポートを作成してください」と話があった。民主主義に興味をもったムトウさんは、「民主主義とは何か」についてさらに深く探究し、レポートを作成することにした。次の問いに答えよ。

これまで民主主義について調べてきたムトウさんは、レポート作成のために中間発表を行った。クラスメイトのアラキさんは、ムトウさんの発表を聞いて、自身の感想や意見を述べた。次の会話文を読み、( A )・( B )に入る記述ア~エの組合せとして最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。

会話文
アラキ:民主主義か民主主義ではないのかということを論じたダールの研究も興味深かったけど、様々な制度の組合せによる、民主主義のヴァリエーションを指摘したレイプハルトの議論も面白いですね。
先生:一つ一つの制度を考えていくことも重要ですが、それらの制度がどのようなかたちの民主主義へとつながっていくのかも意識しなければならないですね。日本の制度を踏まえて考えていったときに、どのような民主主義が望ましいと思いますか。
アラキ:例えば緊急の対応を必要とするときなどを想像すると、複数の主体による合意形成よりも単一の主体による決定の方が望ましいかもしれないです
ね。( A )。だからこそ、多数決型民主主義が望ましい民主主義のかたちではないでしょうか。
ムトウ:でも、アラキさんの考え方では、少数派の意見をないがしろにしてしまうおそれもありますよね。やっぱり、( B )。だからこそ、コンセンサス型民主主義が望ましい民主主義のかたちではないでしょうか。
先生:二人の考え方はよく分かりました。二人とも、民主主義の重要性を認識しているのは共通していますが、どのようなことを重視するべきかという点で、望ましい民主主義のかたちに違いがありますね。このような議論を通じて、それぞれの考え方の違いを知り、論点を明らかにしていくことも研究発表の意義の一つですよ。今回の議論を反映させて、さらにレポートの完成度を高めていってください。

ア  私は、どのような規模の政党でも得票率に応じた議席を獲得できるようにすることで、なるべく多くの政党が意思決定に関わっていくことが大事だと思っています
イ  私は、どのような規模の政党でも得票率に応じた議席を獲得できるようにすることで、単独政権による迅速な意思決定を行っていくことが大事だと思っています
ウ  私は、単独政権の形成を促進するような制度を導入することで、なるべく多くの政党が意思決定に関わっていくことが大事だと思っています
エ  私は、単独政権の形成を促進するような制度を導入することで、迅速な意思決定を行っていくことが大事だと思っています
  • A ― ア  B ― ウ
  • A ― ア  B ― エ
  • A ― イ  B ― ウ
  • A ― イ  B ― エ
  • A ― ウ  B ― ア
  • A ― ウ  B ― イ
  • A ― エ  B ― ア
  • A ― エ  B ― イ

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「Aーエ B-ア」です。

以下、解説になります。

選択肢1. A ― ア  B ― ウ

Aについて、アキラさんは、迅速な意思決定を実現するための単独政権を希求しているため、得票率に応じた議席確保を求めているわけではありません。

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。また、ムトウさんは、単独政権の形成促進に言及していません。

選択肢2. A ― ア  B ― エ

Aについて、アキラさんは、迅速な意思決定を実現するための単独政権を希求しているため、得票率に応じた議席確保を求めているわけではありません。

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。また、ムトウさんは、単独政権の形成促進に言及していません。

選択肢3. A ― イ  B ― ウ

Aについて、アラキさんは、急を要する場合に単一の主体による決定を望ましいと述べています。そこで、アキラさんは、緊急時の迅速な意思決定を図ることに着眼しています。そのため、「単独政権を促進するような制度」を導入し、「迅速な意思決定」を実現する旨を述べたエが正解です。イは、得票率に応じた議席獲得に言及している点で異なります。

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。また、ムトウさんは、単独政権の形成促進に言及していません。

選択肢4. A ― イ  B ― エ

Aについて、アラキさんは、急を要する場合に単一の主体による決定を望ましいと述べています。そこで、アキラさんは、緊急時の迅速な意思決定を図ることに着眼しています。そのため、「単独政権を促進するような制度」を導入し、「迅速な意思決定」を実現する旨を述べたエが正解です。イは、得票率に応じた議席獲得に言及している点で異なります。

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。また、ムトウさんは、単独政権の形成促進に言及していません。

選択肢5. A ― ウ  B ― ア

Aについて、アラキさんは、急を要する場合に単一の主体による決定を望ましいと述べています。そこで、アキラさんは、緊急時の迅速な意思決定を図ることに着眼しています。そのため、「単独政権を促進するような制度」を導入し、「迅速な意思決定」を実現する旨を述べたエが正解です。

 

選択肢6. A ― ウ  B ― イ

Aについて、アラキさんは、急を要する場合に単一の主体による決定を望ましいと述べています。そこで、アキラさんは、緊急時の迅速な意思決定を図ることに着眼しています。そのため、「単独政権を促進するような制度」を導入し、「迅速な意思決定」を実現する旨を述べたエが正解です。ウは、多くの政党が意思決定に関与することを重視している点で違います。

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。

選択肢7. A ― エ  B ― ア

Aについて、アラキさんは、急を要する場合に単一の主体による決定を望ましいと述べています。そこで、アキラさんは、緊急時の迅速な意思決定を図ることに着眼しています。そのため、「単独政権を促進するような制度」を導入し、「迅速な意思決定」を実現する旨を述べたエが正解です。

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。

選択肢8. A ― エ  B ― イ

Bについて、ムトウさんは、少数派の意見をしっかり政治に反映させることを重要視しています。そのため、アに記されている国民の得票率に応じた議席確保を実現することで、より多くの国民の多種多様な意見を政治に反映させることができます。

イは、単独政権による意思決定を重視していますが、ムトウさんはその点を重視していません。

まとめ

対話型の問題は、各々の登場人物がどのような思想を抱いているのかを正確に読み解きましょう。

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02

このような問題に対しては、文脈に沿った適切な選択肢を選ぶ必要があります。

それぞれの選択肢の趣旨を予め把握しておきます。

 

ア どのような規模の政党でも得票率に応じた議席を獲得できるようにすることで、多くの政党が意思決定に参加できるべき、

というのは、

コンセンサス型民主主義

イ どのような規模の政党でも得票率に応じた議席を獲得できるようにすることで、単独政権による迅速な意思決定を行うべき、

というのは、

矛盾しています

ウ 単独政権の形成を促進する制度を導入して、多くの政党が意思決定に参加できるべき、というのは、

矛盾しています

エ 単独政権の形成を促進する制度を導入して、単独政権による迅速な意思決定を行うべき、というのは、

多数決型民主主義

従って、イとウは初めから選ぶべきでない選択肢であることがわかります。
 

選択肢1. A ― ア  B ― ウ

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

アは、コンセンサス型民主主義を支持する文ですが、ウは、矛盾した文です。

従って、不正解です。

選択肢2. A ― ア  B ― エ

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

アは、コンセンサス型民主主義を支持する文です。

従って、不正解です。

選択肢3. A ― イ  B ― ウ

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

イは、矛盾している文です。

従って、不正解です。

選択肢4. A ― イ  B ― エ

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

イは、矛盾している文です。

従って、不正解です。

選択肢5. A ― ウ  B ― ア

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

ウは、矛盾している文です。

従って、不正解です。

選択肢6. A ― ウ  B ― イ

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

ウは、矛盾している文です。

従って、不正解です。

選択肢7. A ― エ  B ― ア

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

エは、多数決型民主主義を支持する文です。

そしてアは、コンセンサス型民主主義を支持する文です。

従って、正解です。

選択肢8. A ― エ  B ― イ

文脈から、Aは多数決型民主主義、Bはコンセンサス型民主主義を選択すべきだということがわかります。

エは、多数決型民主主義を支持する文です。

しかし、イは、矛盾している文です。

従って、不正解です。

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