大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問32 (倫理(第1問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問32(倫理(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

以下を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのAと先生は各々全て同じ人物である。

次の会話は、高校生Aとその担任の先生が面談で交わしたものである。

A:先生!最近、友達と会ったり、話したりするときに、友達にどのような態度を取ったらよいか気を遣うのが時々辛(つら)いと感じることがあって…。いっそのこと、一人で過ごした方が気が楽かも…。
先生:思い悩んでいますね。私も例に漏れませんが、誰もが悩むことです。ところで、友に対する思いは、歴史的には広い意味でa という概念で捉えられてきました。
A:愛と言えば、先日の授業でb 古典や聖典の資料を読みましたよね。そのとき、愛の様々な種類やc キリスト教の隣人愛についても学びました。
先生:そうでしたね。
A:愛とまでは言えないかもしれませんが、私は友達のことを大切だとは思っています。でも、友達に関する悩みは尽きません。確か、「犀(さい)の角のようにただ一人歩め」と言って、友と過ごすよりも一人で過ごす方がよいと説くd 仏教の経典がありましたよね。
先生:うーん。しかし、その経典の記述って、そのように理解してよいのでしょうか?

下線部bに関連して、様々な古典・聖典やその内容についての説明として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 『イリアス』と『オデュッセイア』においては、神々が運命を司(つかさど)り、世界の様々な事象を引き起こすという神話的な世界観が展開されている。
  • 新約聖書でイエスは、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」という、律法と異なる教えを述べている。
  • 『韓非子』という書で知られる韓非子は、功績に対して褒美や恩賞を与えることを否定し、人々を法によって一律に統治すべきだと主張した。
  • 神の真理の言葉を記録したクルアーンにおいては、六信の定めの一つとして聖遷(ヒジュラ)が含まれている。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「『イリアス』と『オデュッセイア』においては、神々が運命を司り、世界の様々な事象を引き起こすという神話的な世界観が展開されている」です。

以下、解説になります。

選択肢1. 『イリアス』と『オデュッセイア』においては、神々が運命を司(つかさど)り、世界の様々な事象を引き起こすという神話的な世界観が展開されている。

『イリアス』『オデュッセイア』では、神々が神力をもって世界の事象を惹起する世界が描かれています。

選択肢2. 新約聖書でイエスは、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」という、律法と異なる教えを述べている。

イエスは、律法と異なる教えを述べていません。

選択肢3. 『韓非子』という書で知られる韓非子は、功績に対して褒美や恩賞を与えることを否定し、人々を法によって一律に統治すべきだと主張した。

韓非子は、自著の中で、「信賞必罰」を説いています。これは、褒賞及び刑罰は、いずれも厳正に行うべきというものです。

選択肢4. 神の真理の言葉を記録したクルアーンにおいては、六信の定めの一つとして聖遷(ヒジュラ)が含まれている。

六信は、神、天使、啓典、預言者、来世、天命を指します。

まとめ

イスラム教の信義は、宗教関連の問題で頻出されます。正確に記憶しましょう。

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02

この問題は、選択肢に出てくる、問題を解く前提となる知識が必要になります。

イエスキリストは、神を愛し、自分を愛するように人を愛せよと説きます。

韓非子では、人の本性は、「善」ではなく、利害で動くものと説き、そのために、良い行いをした者には褒美を与え悪いことをした者には罰を与える、という信賞必罰の人民統治が必要と説きました。

コーランは、イスラム教の聖典で、ヒジユラは、イスラム教暦の始まりを意味します。


 

選択肢1. 『イリアス』と『オデュッセイア』においては、神々が運命を司(つかさど)り、世界の様々な事象を引き起こすという神話的な世界観が展開されている。

「イリアス」と「オデッセイア」は、ギリシャの詩人ホメロスによる壮大な叙事詩で、ギリシャの二大叙事詩と呼ばれる作品です。

実際にあったトロイア戦争を題材にして、それにギリシャの神話や伝説を織り込まれて作られています。

従って、正解です。

選択肢2. 新約聖書でイエスは、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」という、律法と異なる教えを述べている。

イエスキリストは、神を愛し、自分を愛するように人を愛せよと説きます。

その考えは、必ずしも率法と異なる教えではありません。

従って、不正解です。

選択肢3. 『韓非子』という書で知られる韓非子は、功績に対して褒美や恩賞を与えることを否定し、人々を法によって一律に統治すべきだと主張した。

韓非子では、人の本性は、「善」ではなく、利害で動くものと説き、そのために、良い行いをした者には褒美を与え悪いことをした者には罰を与える、という信賞必罰の人民統治が必要と説きました。

従って、不正解です。

選択肢4. 神の真理の言葉を記録したクルアーンにおいては、六信の定めの一つとして聖遷(ヒジュラ)が含まれている。

コーランは、イスラム教の聖典で、ヒジユラは、イスラム教暦の始まりを意味します。

コーランは、クルアーンを指します。

イスラム教における六法とは、信仰告白、断食、巡礼など信者が遵守すべき行いを指します。

従って、不正解です。

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