大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問42 (倫理(第2問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問42(倫理(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

以下を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのBとCは各々全て同じ人物である。

次の会話は、高校生BとCが、「学び」をめぐって交わしたものである。

B:進路、決めた?私は就職に有利な資格が取れる学部に行こうと思う。
C:私は日本のa 古典文学か思想を学ぼうと思っているよ。
B:文学とか思想とかって、役に立たなさそう…。
C:そう?例えば、b 神道を学んで自分の生き方に活(い)かした人もいたよね。古典を学んで自身のあり方を見つめたc 山崎闇斎のような儒学者もいたし。それに、d 仏教者だって…。
B:そういう学びは役に立つと言えるのかな?福沢諭吉が『学問のすゝめ』で「実学」を重視していたよね。やっぱりスキルとして役に立たないと。
C:そうかなあ。本当に役に立つ学びって、どういうものなんだろう。

下線部dに関連して、次のレポートは、ある仏教者について簡潔にまとめ、題と副題とを付けるよう指示された課題に対し、Cが途中まで作成したものの一部である。後の会話中の( a )・( b )に入る記述の組合せとして最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。

レポート
彼は誰もが仏になり得るという教えを学び、それに基づいてマントラを唱える修行などに励んだ。彼はまた、この宇宙の大本に働く不思議な力とこの身のままで一体になろうとした。その一方で、自己と世界とを貫くその力を自覚しつつ、庶民のための学校の設立など様々な活動に尽力したのである。

先生:この後は、どのようにレポートを展開させるのですか。
C:はい。この後は、彼の思想と多様な活動との関係をさらに説明します。だから、全体の題は、「( a )の思想と活動」に決めたのですが、副題を「( b )」にしようかと悩んでいます。
先生:彼の人生に合っていますので、良いと思いますよ。
  • a:行基  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧
  • a:行基  b:東大寺の大仏造立(ぞうりゆう)に加わり民間布教をした私度僧
  • a:空海  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧
  • a:空海  b:東大寺の大仏造立に加わり民間布教をした私度僧
  • a:空也  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧
  • a:空也  b:東大寺の大仏造立に加わり民間布教をした私度僧

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くための前提となる知識は、以下の通りです。

行基 民間布教や社会事業に尽力した奈良時代の高僧で、東大寺の大仏造立に貢献し、日本最初の大僧正の位を授与されました。

空海 真言宗の開祖 マントラと呼ばれる真言を唱えることで即身成仏できると説きました。

空也 平安時代に南無阿弥陀仏と唱える阿弥陀信仰をいち早く広めた僧侶
 

選択肢1. a:行基  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧

行基 民間布教や社会事業に尽力した奈良時代の高僧で、東大寺の大仏造立に貢献し、日本最初の大僧正の位を授与されました。

資料では、「マントラを唱える修行」とあるので、aは行基ではありません。

従って、不正解です。

選択肢2. a:行基  b:東大寺の大仏造立(ぞうりゆう)に加わり民間布教をした私度僧

行基 民間布教や社会事業に尽力した奈良時代の高僧で、東大寺の大仏造立に貢献し、日本最初の大僧正の位を授与されました。

資料では、「マントラを唱える修行」とあるので、aは行基ではありません。

従って、不正解です。
 

選択肢3. a:空海  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧

空海 真言宗の開祖 マントラと呼ばれる真言を唱えることで即身成仏できると説きました。

資料では、「マントラを唱える修行」とあるので、aは空海です。

同様にbも加持祈祷を通じてあらゆるもの幸福を求めた僧侶とあるので、妥当です。

従って、正解です。
 

選択肢4. a:空海  b:東大寺の大仏造立に加わり民間布教をした私度僧

空海 真言宗の開祖 マントラと呼ばれる真言を唱えることで即身成仏できると説きました。

資料では、「マントラを唱える修行」とあるので、aは空海です。

しかし、bで「東大寺の大仏建立に関わり」とありますが、これに該当するのは行基です。

従って、不正解です。

選択肢5. a:空也  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧

空也 平安時代に南無阿弥陀仏と唱える阿弥陀信仰をいち早く広めた僧侶です。

資料では、「マントラを唱える修行」とあるので、aは空海です。

従って、不正解です。

選択肢6. a:空也  b:東大寺の大仏造立に加わり民間布教をした私度僧

 空也 平安時代に南無阿弥陀仏と唱える阿弥陀信仰をいち早く広めた僧侶です。

資料では、「マントラを唱える修行」とあるので、aは空海です。

従って、不正解です。

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02

正解は「a:空海 b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧」です。

以下、解説になります。

選択肢1. a:行基  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧

aについて、マントラの修行に励んだのは、行基ではなく、空海です。

 

選択肢2. a:行基  b:東大寺の大仏造立(ぞうりゆう)に加わり民間布教をした私度僧

aについて、マントラの修行に励んだのは、行基ではなく、空海です。

bについて、東大寺の造立に参加したのは、行基です。

 

選択肢3. a:空海  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧

正解は、この肢です。

空海は、マントラを唱える修行に励み、加持祈祷を通した幸福の追求を行った人物です。

選択肢4. a:空海  b:東大寺の大仏造立に加わり民間布教をした私度僧

bについて、東大寺の造立に参加したのは、行基です。

選択肢5. a:空也  b:加持祈祷を通じてあらゆるものの幸福を求めた僧

aについて、マントラの修行に励んだのは、空也ではなく、空海です。

 

選択肢6. a:空也  b:東大寺の大仏造立に加わり民間布教をした私度僧

aについて、マントラの修行に励んだのは、空也ではなく、空海です。

bについて、東大寺の造立に参加したのは、行基です。

 

まとめ

仏教に関する僧は、多岐にわたります。そのため、重要度に差異をつけながら学習するとよいでしょう。

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