大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問50 (倫理(第3問) 問4)
問題文
資料
思うに、人間の本質、また人間の「特殊地位」と称し得るものは、知能や選択能力と呼ばれるものを超えた高所に位置しており、その本質には、たとえこのような知能や選択能力を量的に好きなだけ、たとえ無際限に高めて思い描こうとも、決して到達し得ないだろう。頭のよいチンパンジーと、ただ技術者として見られた場合のエジソンとの間に成り立つ差異は、たとえどんなに大きくても、程度の差にすぎない。……人間を「人間」たらしめる唯一のもの、……それはあらゆる自然的な生命に、それどころか、d 人間自身の生命にすら対抗する原理である。……既にギリシア人はそのような原理を主張して、それを「理性」と名付けた。
(シェーラー「宇宙における人間の地位」より)
下線部dに関連して、人間と生命をめぐる思想の説明として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問50(倫理(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
資料
思うに、人間の本質、また人間の「特殊地位」と称し得るものは、知能や選択能力と呼ばれるものを超えた高所に位置しており、その本質には、たとえこのような知能や選択能力を量的に好きなだけ、たとえ無際限に高めて思い描こうとも、決して到達し得ないだろう。頭のよいチンパンジーと、ただ技術者として見られた場合のエジソンとの間に成り立つ差異は、たとえどんなに大きくても、程度の差にすぎない。……人間を「人間」たらしめる唯一のもの、……それはあらゆる自然的な生命に、それどころか、d 人間自身の生命にすら対抗する原理である。……既にギリシア人はそのような原理を主張して、それを「理性」と名付けた。
(シェーラー「宇宙における人間の地位」より)
下線部dに関連して、人間と生命をめぐる思想の説明として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
- ニーチェは、生命の根底にある力への意志を否定し抑圧することを求める伝統的な道徳に代えて、力への意志を自由に発揮できるような新しい価値を創造していく必要性を説いた。
- ニーチェは、あらゆる生命への愛を説くキリスト教道徳を真理として肯定する運命愛の境地に到達することによって、本来的な生のあり方を回復することができると説いた。
- ベルクソンは、あらゆる生命の内に、世界全体を合理化するという目的に向かって直線的に進む目的論的な運動を見て取り、人間の知性もそうした進化の過程で生じたものであると説いた。
- ベルクソンは、人間は生命の創造的な躍動に立ち戻ることによって、互いに他者を敵視する未開の社会を脱し、万人が自らの属する共同体の義務や道徳を堅持する社会を創造することができると説いた。
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