大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問68 (政治・経済(第1問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問68(政治・経済(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yが通う学校で、大学教員による出張講義が開かれた。「地域的世界的な視点から政治の仕組みや動きをとらえたとき、それらはいかに変容してきたか」を扱ったものであり、XとYが「政治・経済」の授業で学習した内容も多く含まれていた。これに関連して、後の問いに答えよ。

出張講義では、地域的な諸問題がさらに説明された。その一つとして指摘された日本の公害や環境問題に関連する記述として誤っているものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 環境に影響を与える可能性がある事業について、あらかじめその影響を評価する手続を定めた環境影響評価法(環境アセスメント法)が制定された。
  • 石綿(アスベスト)による健康被害について、その被害の救済に関する法律が制定された。
  • 大阪空港を離着陸する航空機の騒音や排気ガスなどにより被害を受けた周辺の住民から夜間使用差止めや損害賠償を求める訴訟が提起され、損害賠償の一部と、使用差止めとを命ずる最高裁判所の判決が出された。
  • 広島県福山市鞆(とも)の浦地区での埋立て・架橋計画が景観を損なうとして、周辺の住民から埋立ての差止めを求める訴訟が提起され、差止めを命ずる判決が出された。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「大阪空港を離着陸する航空機の騒音や排気ガスなどにより被害を受けた周辺の住民から夜間使用差止めや損害賠償を求める訴訟が提起され、損害賠償の一部と、使用差止めとを命ずる最高裁判所の判決が出された。」です。

以下、解説になります。

選択肢1. 環境に影響を与える可能性がある事業について、あらかじめその影響を評価する手続を定めた環境影響評価法(環境アセスメント法)が制定された。

1997年、環境アセスメント法は、開発事業に伴う環境への影響を考慮して制定されました。

選択肢2. 石綿(アスベスト)による健康被害について、その被害の救済に関する法律が制定された。

平成18年、石綿健康被害救済法が制定されました。

選択肢3. 大阪空港を離着陸する航空機の騒音や排気ガスなどにより被害を受けた周辺の住民から夜間使用差止めや損害賠償を求める訴訟が提起され、損害賠償の一部と、使用差止めとを命ずる最高裁判所の判決が出された。

正解は、この肢です。

大阪空港事件は、航空機の騒音に悩まされている周辺住民が夜間差止めを求めた裁判です。最高裁判所では、使用差止めが認められませんでした。

選択肢4. 広島県福山市鞆(とも)の浦地区での埋立て・架橋計画が景観を損なうとして、周辺の住民から埋立ての差止めを求める訴訟が提起され、差止めを命ずる判決が出された。

鞆の浦訴訟では、周辺住民が景観利益を守るために埋め立ての拒否を求めて、広島県を訴えた訴訟です。

2008年に裁判所から仮の差し止めが認められました。そして、2016年には県が埋め立てを断念したことにより終結しました。

まとめ

住民訴訟や公害訴訟などは、最高裁判所の判決が重要です。一審判決や控訴審判決と混同しないように留意しましょう。

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