大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問93 (政治・経済(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問93(政治・経済(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒X、生徒Yおよび生徒Zは、「政治・経済」の授業でグループ発表をすることになり、その準備をしている。図1のやりとりは、生徒たちが放課後にスマートフォンで行ったものの一部である。

図1の下線部cに関連して、生徒Xは、賃金と雇用慣行との関係について調べてみることにした。次のXの発言は、調べたことをもとに賃金システムについて説明したものである。図2に基づくXの説明から読みとれる内容として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。

X:この図2は、賃金と労働者が生み出す価値との関係をモデル化したものです。仮に労働者が生み出す価値を一定とみなして賃金との関係を図示すると、賃金水準は、勤続期間の前半では労働者が生み出す価値に比べて低いのに対して、後半では高くなっています。この図2を使って、若年から定年まで働き勤続年数に応じて賃金が上昇していくシステムについて説明されることがありますが、この発表でもそれに沿って考えてみます。
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  • 勤続年数の長い労働者の比率が相対的に増えると、このシステムの下では賃金コストが嵩(かさ)みやすくなる。
  • 短期間で退職する予定の労働者は、就労先として、このシステムを採用する企業で働くと有利である。
  • この図によれば、労働者が生み出す価値の変化に合わせて賃金が上がっていくことになる。
  • このシステムは、労働者を一企業に定着させにくいので、長期的に人材を育成したい企業に向かない。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、労働者の生み出す価値に従って賃金を払わず、勤続年数によって賃金が上昇する賃金体系の抱える問題点についての問題です。


 

選択肢1. 勤続年数の長い労働者の比率が相対的に増えると、このシステムの下では賃金コストが嵩(かさ)みやすくなる。

本選択肢の記述の通りです。

従って、正解です。

選択肢2. 短期間で退職する予定の労働者は、就労先として、このシステムを採用する企業で働くと有利である。

短期間で退職すると、労働の価値に見合った賃金を受け取らずに退職するので不利になります。

従って、不正解です。

選択肢3. この図によれば、労働者が生み出す価値の変化に合わせて賃金が上がっていくことになる。

この図は、労働者の生み出す価値に従って賃金を払わず、勤続年数によって賃金が上昇する賃金体系です。

従って、不正解です。
 

選択肢4. このシステムは、労働者を一企業に定着させにくいので、長期的に人材を育成したい企業に向かない。

この問題は、労働者の生み出す価値に従って賃金を払わず、勤続年数によって賃金が上昇する賃金体系の抱える問題点についての問題です。

この賃金システムは、終身雇用制といわれ、戦後日本の経済成長を支えるシステムとして長年機能してきましたが、現在その問題点が指摘されています。

しかし、このシステムが直ちに労働者を一企業に定着させにくく、長期的に人材を育成したい企業に向かないとは言い切れません。

従って、不正解です。


 

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