大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問49 (倫理(第3問) 問3)
問題文
高校生DとEは、「自由」をテーマにオンラインでプレゼンテーションを行うことになった。次の会話は、その準備のために交わしたものである。
D:「自由」っていうテーマだけど、そもそも自由って何だろう?
E:a制約がない状態が自由じゃないかな。例えば、卒業すれば制服を着なくてもよくなるよね。それに、大人になって職を選んで働くようになれば、b経済の面での自由も手に入るじゃない?
D:なるほどね。でも、自由って制約がないことだけなのかな。先生が授業で、自由とは、制約がないだけではなく、自分の生き方を選択して自己決定することでもあるっていう考えを紹介してくれたよね。
E:そうだったね。じゃあ、今は自分で決めた進路のために遊びや部活動を控えて勉強しているけど、それも自分で決めているから自由っていうことか。
D:そうなるね。あと自由っていっても、自分勝手にすることとは違うと思う。皆が自分勝手な行動をとったら、衝突ばかり起きて、結局、自己決定も難しくなるかもしれないから。
E:だからc規範や法みたいなある種の制約が必要だったのか。ということは、規範や法は単なる制約ではなくて、互いの意見や利害についての話し合いを促し、他者との対立から合意に向かう調整の役割もあるのかもね。
D:確かに。それに規範や法に支えられる自由だってあるんじゃない?例えば、学校に通わなきゃいけないっていうある種の制約も、自分に必要な知識や技能を身に付けることを助けているし、自分がなりたいものになる自由につながるんじゃないかな。
E:なるほど…。d自由は単に制約から解放されることだけではないし、ある種の制約も私たちの自己決定を保障するためには必要なものなんだね。段々見えてきたね。じゃあ「制約からの解放」「自己決定」「規範や法」の三つを話題の中心にして、プレゼンの準備をしていこうか!
下線部cに関して、次のア~ウは、規範や法を考察の対象とした思想家についての説明であるが、それぞれ誰のことか。その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
ア 快楽を求め苦痛を避ける存在である利己的な人間の行為を規制する強制力として、法律的制裁・道徳的制裁など、四つの制裁があると説いた。
イ 市民は、政府に立法権や執行権を信託するが、政府が権力を濫用する場合には、抵抗権に加え、新たな政府を設立する革命権を保持すると説いた。
ウ この世界を統治する神の法と、人間の理性によって捉えられる法とは矛盾するものではなく、調和するものであると説いた。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問49(倫理(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
高校生DとEは、「自由」をテーマにオンラインでプレゼンテーションを行うことになった。次の会話は、その準備のために交わしたものである。
D:「自由」っていうテーマだけど、そもそも自由って何だろう?
E:a制約がない状態が自由じゃないかな。例えば、卒業すれば制服を着なくてもよくなるよね。それに、大人になって職を選んで働くようになれば、b経済の面での自由も手に入るじゃない?
D:なるほどね。でも、自由って制約がないことだけなのかな。先生が授業で、自由とは、制約がないだけではなく、自分の生き方を選択して自己決定することでもあるっていう考えを紹介してくれたよね。
E:そうだったね。じゃあ、今は自分で決めた進路のために遊びや部活動を控えて勉強しているけど、それも自分で決めているから自由っていうことか。
D:そうなるね。あと自由っていっても、自分勝手にすることとは違うと思う。皆が自分勝手な行動をとったら、衝突ばかり起きて、結局、自己決定も難しくなるかもしれないから。
E:だからc規範や法みたいなある種の制約が必要だったのか。ということは、規範や法は単なる制約ではなくて、互いの意見や利害についての話し合いを促し、他者との対立から合意に向かう調整の役割もあるのかもね。
D:確かに。それに規範や法に支えられる自由だってあるんじゃない?例えば、学校に通わなきゃいけないっていうある種の制約も、自分に必要な知識や技能を身に付けることを助けているし、自分がなりたいものになる自由につながるんじゃないかな。
E:なるほど…。d自由は単に制約から解放されることだけではないし、ある種の制約も私たちの自己決定を保障するためには必要なものなんだね。段々見えてきたね。じゃあ「制約からの解放」「自己決定」「規範や法」の三つを話題の中心にして、プレゼンの準備をしていこうか!
下線部cに関して、次のア~ウは、規範や法を考察の対象とした思想家についての説明であるが、それぞれ誰のことか。その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
ア 快楽を求め苦痛を避ける存在である利己的な人間の行為を規制する強制力として、法律的制裁・道徳的制裁など、四つの制裁があると説いた。
イ 市民は、政府に立法権や執行権を信託するが、政府が権力を濫用する場合には、抵抗権に加え、新たな政府を設立する革命権を保持すると説いた。
ウ この世界を統治する神の法と、人間の理性によって捉えられる法とは矛盾するものではなく、調和するものであると説いた。
- ア:モンテスキュー イ:ロック ウ:トマス・アクィナス
- ア:モンテスキュー イ:ロック ウ:グロティウス
- ア:モンテスキュー イ:ルソー ウ:トマス・アクィナス
- ア:モンテスキュー イ:ルソー ウ:グロティウス
- ア:ベンサム イ:ロック ウ:トマス・アクィナス
- ア:ベンサム イ:ロック ウ:グロティウス
- ア:ベンサム イ:ルソー ウ:トマス・アクィナス
- ア:ベンサム イ:ルソー ウ:グロティウス
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この過去問の解説 (1件)
01
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ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
モンテスキュー ×
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ロック 〇
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
トマス・アクィナス 〇
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
モンテスキュー ×
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ロック 〇
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
グロティウス ×
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
モンテスキュー ×
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ルソー ×
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
トマス・アクィナス 〇
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
モンテスキュー ×
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ルソー ×
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
グロティウス ×
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
適切
ベンサム 〇
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ロック 〇
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
トマス・アクィナス 〇
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
ベンサム 〇
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ロック 〇
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
グロティウス ×
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
ベンサム 〇
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ルソー ×
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
トマス・アクィナス 〇
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
不適切
ベンサム 〇
ベンサムは功利主義において、社会全体の幸福を最大化する「最大多数の最大幸福」を唱え、その強制力として、物理的、政治的、道徳的、宗教的制裁の4つの制裁を設けました。
モンテスキューはフランスの哲学者であり、権力を3つに分けることで、権力の偏りをなくす三権分立を唱えました。
ルソー ×
ロックは抵抗権そして革命権を提唱し、政府が権力を濫用する場合には抵抗権を行使し、また、別の政府を新たに設ける革命権を行使することができるとしました。
ルソーはフランスの哲学者で社会契約説と人民主権を提唱し、自由と平等と追求しました。
グロティウス ×
トマス・アクィナスは中世の哲学者で、宗教の信仰と哲学、理性の調和を目指しました。
グロティウスとは「国際法の父」や「近代自然法の父」と呼ばれており、自然法の概念を重要視しました。
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