大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問46 (倫理(第2問) 問7)
問題文
図書館での調べ学習から帰宅した後、Cは祖母から一冊の本を贈られた。その本には次のメッセージが添えられていた。
メッセージ
Cが平和についていろいろ調べていると聞き、私もうれしいです。g 先人たちが平和をどのように考えたのかを知ることはとても大事ですね。この本は私が高校生の時の愛読書です。時代を超えて、今に通じる重要な考えが詰まっていると思います。ぜひ一度読んでみてね。
下線部gに関連して、平和を説いた近現代の思想家の説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問46(倫理(第2問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
図書館での調べ学習から帰宅した後、Cは祖母から一冊の本を贈られた。その本には次のメッセージが添えられていた。
メッセージ
Cが平和についていろいろ調べていると聞き、私もうれしいです。g 先人たちが平和をどのように考えたのかを知ることはとても大事ですね。この本は私が高校生の時の愛読書です。時代を超えて、今に通じる重要な考えが詰まっていると思います。ぜひ一度読んでみてね。
下線部gに関連して、平和を説いた近現代の思想家の説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
- 小日本主義を掲げた石橋湛山は、軍備の拡張や植民地の拡大を目指す日本のあり方を大日本主義として批判して、平和を守って経済的な発展を目指す方針を説いた。
- 丸山真男は、主体性を備えた近代的自我を日本人が明治維新とともに確立していたと論じ、二度の世界大戦を経験する中で、世界的な潮流に抗うことはできずに、国家がファシズムに陥ったと分析した。
- 幸徳秋水は、自由民権運動の影響を受けて、戦争が起こる原因を、国民が戦争を望んで反対を唱えないことにあると述べて、政府ではなく国民一人一人に戦争の責任があると主張した。
- 妊娠・出産期において女性は国の財政支援により保護されるべきだと主張した与謝野晶子は、戦地に赴いた弟の身を思って「君死にたまふことなかれ」と詠んだ。
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題では、「平和を説いた近現代の思想家」についての説明として、最も適当なものを選ぶ必要があります。正しい選択肢を見分けるためには、各人物の思想の背景と代表的な主張を理解しておくことが重要です。では、問題を見てみましょう。
この選択肢は石橋湛山の主張に基づいており、「小日本主義」は彼の代表的な理念です。彼は軍備拡張や植民地支配を否定し、戦争を避けて国内の経済発展を重視すべきと論じました。平和と経済の安定を重視するこの姿勢は、戦前の日本に対して先駆的な批判でした。よってこの選択肢は正しいです。
丸山真男は、日本における近代的自我の未成熟を問題視していました。「明治維新とともに確立していた」とするのは事実と異なります。むしろ、戦後にこそ主体的な民主的市民を育てる必要があると主張していました。よってこの選択肢は誤りです。
幸徳秋水は戦争反対の立場から、戦争を起こすのは政府や資本家であり、民衆は被害者であると考えていました。国民一人一人に戦争の責任があるとするのは、彼の思想とは逆の立場です。よってこの選択肢は誤りです。
与謝野晶子が『君死にたまふことなかれ』を通じて反戦の立場を表明したことは事実です。しかし「妊娠・出産期に国の財政支援で保護すべき」といった政策的主張を展開したという記録はありません。彼女の関心は、女性の人格や表現の自由に関わるものでした。よってこの選択肢は誤りです。
この問題では、「平和に関する近現代の思想家の主張や立場」を正確に押さえることが重要でした。
石橋湛山のように、軍備拡張や帝国主義を批判して平和と経済発展を両立させようとした姿勢が問われています。
したがって、今後は各思想家がどのような歴史的背景のもとで、どのような価値を重視したのかを中心に学習しましょう。
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