大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問69 (政治・経済(第1問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問69(政治・経済(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yは、J県が主催する主に18歳対象の公開講座に参加した。次の資料は、その公開講座の内容を示したものである。これに関して、後の問いに答えよ。

公開講座「a 成人年齢の引下げと生活の変化」
1.「政治や司法にかかわる私」
〇政治への参加(b 選挙c 住民参加
〇司法への参加(d 裁判員、検察審査員)
2.「経済活動を営む私」
〇働き手としての生活(e 職業選択、賃金)
〇消費者としての生活(契約主体、f 家計
3.「変化する社会の中の私」
〇セーフティネットとしてのg 社会保障
〇社会の課題の変化を反映するh 行政機構

生徒Xと生徒Yは、下線部eに関心をもち、雇用や失業などの労働市場に関する情報を集めた。XとYは、次の資料1〜3をみながら話し合っている。後の会話文中の空欄ア〜ウに当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

X:講師の先生が、「2010年代後半は労働市場が売り手市場になっていて、就職がしやすくなっていた」と話していたのが気になって調べてみたよ。
Y:資料1をみると、たしかにそうなっていたことがわかるね。でも、2014年以降は求人数が求職者数を( ア )いるのに完全失業率がゼロにならなかったのは、何が原因なのかな。
X:資料2をみると、「事務的職業」は労働力の需要量が( イ )いて、「輸送・機械運転の職業」は労働力の供給量が( イ )いるから、職種によるミスマッチが起こっているといえるね。
Y:なるほど。資料3をみるとどういうことがわかるのかな。
X:資料3は、2002年から2006年の間の完全失業率が高くなった原因がわかるものだよ。資料1の2002年から2006年の間は、2010年から2014年の間と比べると、有効求人倍率が同じ程度で推移しているのに完全失業率が上回っているから、何が原因か調べてみたんだ。『労働経済白書』では、資料3が掲載されていて、( ウ )の労働力の需要量が( イ )いることが就職を難しくしていると分析されていたんだ。つまり、雇用形態別の労働力の需給関係の違いも、失業者数の増減を左右する原因になる可能性があるということだね。
問題文の画像
  • ア:上回って  イ:過剰になって  ウ:フルタイム
  • ア:上回って  イ:過剰になって  ウ:パートタイム
  • ア:上回って  イ:不足して    ウ:フルタイム
  • ア:上回って  イ:不足して    ウ:パートタイム
  • ア:下回って  イ:過剰になって  ウ:フルタイム
  • ア:下回って  イ:過剰になって  ウ:パートタイム
  • ア:下回って  イ:不足して    ウ:フルタイム
  • ア:下回って  イ:不足して    ウ:パートタイム

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、労働市場における「求人数と求職者数の関係」や「職種・雇用形態ごとの需給のズレ」について、資料をもとに理解する力が問われています。

空欄ア〜ウは、それぞれ「労働市場全体の状況」「職種別の需給」「雇用形態別の需給」に対応しており、図表からの正確な読み取りがカギになります。

では、問題を見てみましょう。

 

選択肢1. ア:上回って  イ:過剰になって  ウ:フルタイム

アは正しいです。有効求人倍率が1を超えていることから、求人数が求職者数を上回っております。

イは誤りです。資料2では「不足している」状態であり、「過剰」という表現は当てはまりません。

ウは正しいです。資料3より、需要が低かったのはフルタイム雇用です。なのでこの選択肢は不適切です。

選択肢2. ア:上回って  イ:過剰になって  ウ:パートタイム

アは正しいです。

イは誤りです。労働力は過剰ではなく不足している状態です。

ウは誤りです。資料3によれば、パートタイムは安定した需要がありました。なのでこの選択肢は不適切です。

選択肢3. ア:上回って  イ:不足して    ウ:フルタイム

アは正しいです。

イは正しいです。資料2では、事務的職業や輸送職などにおいて需給の「不足」が見られます。

ウは正しいです。資料3において、フルタイム雇用の需要が低く、失業率上昇の一因とされています。

なのでこの選択肢は、適切です。

選択肢4. ア:上回って  イ:不足して    ウ:パートタイム

アとイは正しいです。

ウは誤りです。パートタイムの求人倍率は高く、需要が十分にあったため、誤りとなります。なのでこの選択肢は、不適切です。

選択肢5. ア:下回って  イ:過剰になって  ウ:フルタイム

アは誤りです。資料1より、有効求人倍率は1を超えており、「上回って」が適切です。

イは誤りです。資料2では「不足」していることが読み取れます。

ウは正しいです。資料3で需要が弱かったのはフルタイムです。なのでこの選択肢は、不適切です。

選択肢6. ア:下回って  イ:過剰になって  ウ:パートタイム

すべて誤りです。アは実際には「上回って」おり、イも「不足」が正しく、ウも需要が高かったため不適切です。

選択肢7. ア:下回って  イ:不足して    ウ:フルタイム

アは誤りです。求人倍率は1を上回っておりました。

イとウは正しいです。資料2と3に基づいて、労働力の不足とフルタイム需要の低さが確認できます。

選択肢8. ア:下回って  イ:不足して    ウ:パートタイム

アとウが誤りです。アは求人倍率が1を超えていたため「上回って」が適切であり、ウも需要が高かったパートタイムは不適切です。イのみ正しいです。

まとめ

有効求人倍率が1を超えている状態では求人数が求職者数を上回っていますが、職種や雇用形態によって需給バランスにズレがあると、完全失業率が下がらないことがあります。

2002〜2006年にかけては、フルタイム雇用の求人が少なかったことが失業率の高さの一因であり、こうした雇用の質にも着目することが大切です。

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