大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問71 (政治・経済(第1問) 問7)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問71(政治・経済(第1問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yは、J県が主催する主に18歳対象の公開講座に参加した。次の資料は、その公開講座の内容を示したものである。これに関して、後の問いに答えよ。

公開講座「a 成人年齢の引下げと生活の変化」
1.「政治や司法にかかわる私」
〇政治への参加(b 選挙c 住民参加
〇司法への参加(d 裁判員、検察審査員)
2.「経済活動を営む私」
〇働き手としての生活(e 職業選択、賃金)
〇消費者としての生活(契約主体、f 家計
3.「変化する社会の中の私」
〇セーフティネットとしてのg 社会保障
〇社会の課題の変化を反映するh 行政機構

生徒Yは、社会の変化によって生活困難に遭遇するリスクが高まる中での下線部gの意義に関心をもち、その意義を具体化する仕組みについて調べた。次の記述ア〜ウのうち、日本における社会保険制度、公的扶助制度、社会福祉制度それぞれの基本的な特徴に関する記述として正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

ア  社会保険制度では、原則としてあらかじめ保険料が拠出されていて、疾病や老齢などの保険の対象となる事由が発生した当事者に対して諸給付が行われる。
イ  公的扶助制度では、生活に困窮し、最低限度の生活水準に満たない状態になった当事者に対して保険料から生活に必要な諸給付が行われる。
ウ  社会福祉制度では、老齢、障害などによって社会生活を送る上での支援が必要な当事者に対してサービスの提供などが行われる。
  • アとイ
  • アとウ
  • イとウ
  • アとイとウ

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、日本の社会保障制度を構成する三本柱(社会保険、公的扶助、社会福祉)について、それぞれの特徴を正確に理解しているかが問われています。

それぞれの制度の「財源」「対象」「給付の条件」に注目することがポイントです。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. ア

この選択肢は

アのみを選んでいます。アの内容は正しく、社会保険制度は保険料を拠出し、疾病や老齢などに備える仕組みです。この選択肢は正解候補になりますが、ウも正しいため、正解としては不十分です。

選択肢2. イ

この選択肢は

イのみを選んでいます。イの内容は誤りです。公的扶助は税金によって給付される制度であり、保険料から支給されるものではありません。この選択肢は誤りです。

選択肢3. ウ

この選択肢は

ウのみを選んでいます。ウの内容は正しいです。社会福祉制度は、障害や老齢などにより日常生活に支援が必要な人に対し、サービスなどを提供する制度です。ただしアも正しいため、正解としては不十分です。

選択肢4. アとイ

この選択肢は

アとイを選んでいます。アは正しいですが、イは誤りです。公的扶助の財源は保険料ではなく税金であるため、この組合せは不適切です。

選択肢5. アとウ

この選択肢は

アとウを選んでいます。どちらも正しい記述です。社会保険制度の説明としてアは適切であり、社会福祉制度についてもウは正しい内容です。この選択肢が正解です。

選択肢6. イとウ

この選択肢は

イとウを選んでいます。イは誤りであるため、この選択肢も不正解です。

選択肢7. アとイとウ

この選択肢は

ア・イ・ウすべてを選んでいます。アとウは正しいですが、イは誤りなので、全体としてこの選択肢は不正解です。

まとめ

アは、保険料に基づく給付という社会保険の基本を正しく説明しています。

イは、公的扶助の財源が税金であることを無視しており誤りです。

ウは、社会福祉制度の「支援を必要とする人へのサービス提供」という特徴を正確に述べています。

こうした制度の違いを押さえていくことがポイントです。

特に、公的扶助が「無差別・無拠出」である点はよく出題されるので意識しておきましょう。

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