大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問74 (政治・経済(第2問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問74(政治・経済(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

統治作用を担う団体に関心をもつ生徒Xと市民社会を構成する団体・集団に関心をもつ生徒Yは、さまざまな団体集団の働きについてそれぞれ調べてみることにした。これに関して、後の問いに答えよ。

生徒Xは、国家が運営する社会保障の仕組みに注目し、日本の雇用保険と労働者災害補償保険(労災保険)について次のメモを作成した。メモ中の空欄アには後の記述aかb、空欄イには後の記述cかdのいずれかが当てはまる。空欄ア・イに当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

〇雇用保険
労働者が失業したときなどに給付を行う制度である。労働者が失業したときの主な給付の財源の負担者は、( ア )。
〇労災保険
労働者が業務に起因して負傷したり病気になったりしたときなどに給付を行う制度である。給付の財源となる保険料の負担者は、( イ )。

アに当てはまる記述
a  失業が事業主の経営判断や労働者の転職・求職行動を原因として生じるという考え方により、事業主と労働者とされている
b  失業が政府の経済政策や雇用政策と無縁ではなく事業主や労働者だけでは対処できない原因でも生じるという考え方により、事業主、労働者、政府の三者とされている

イに当てはまる記述
c  給付を受けうる労働者も負担すべきという考え方により、事業主と労働者とされている
d  事業から利益を得る事業主が負担すべきという考え方により、事業主のみとされている
  • ア ― a  イ ― c
  • ア ― a  イ ― d
  • ア ― b  イ ― c
  • ア ― b  イ ― d

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、日本の社会保険制度の中でも「雇用保険」と「労災保険」に関する保険料の負担者が誰かを理解しているかを問う内容です。

それぞれの制度の目的と性質に応じて、誰が財源を支えるべきかという考え方が異なります。

この違いを押さえておくことがポイントです。では、問題を見てみましょう。

選択肢1. ア ― a  イ ― c

アはaです。雇用保険の保険料を「事業主と労働者」で負担するとする考え方ですが、実際には「事業主・労働者・政府」の三者で負担する制度です。したがって誤りです。

イはcで、労災保険を「事業主と労働者」で負担するとしていますが、実際には「事業主のみ」が負担します。これも誤りです。

 

選択肢2. ア ― a  イ ― d

アはaで誤りです(上と同じ理由)。

イはdで、「事業主のみが負担する」という記述は労災保険の正しい特徴です。ただしアが誤りのためこの組合せは不正解です。

選択肢3. ア ― b  イ ― c

アはbで、「事業主・労働者・政府の三者で負担する」という説明は雇用保険の制度に合致しており正しいです。

イはcで、「事業主と労働者で負担する」とありますが、労災保険では事業主が全額負担するため誤りです。

選択肢4. ア ― b  イ ― d

アはbで正しいです。

イはdで、労災保険の財源は事業主のみが負担する制度であり、こちらも正しいです。

したがって、この選択肢が正解です。

まとめ

雇用保険は、失業の原因に社会的要因が含まれることから、政府・事業主・労働者の三者で保険料を負担します。

労災保険は、業務に起因する災害に対する補償であるため、保険料は事業主のみが負担します。

この違いを理解することが重要です。

 

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