大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問33 (倫理(第1問) 問2)
問題文
次の会話は、ある日の放課後に高校生AとBが交わしたものである。
A:うちの担任、a 比喩やたとえが好きだよね。今日のホームルームで言ってた「人生はエクレア*のようだ」って比喩の意味、どう思う?明日のホームルームで説明するからそれまでに意味を考えてくるよう言われたでしょ。
B:ぼんやり食べてるとクリームが垂れちゃうってことじゃない?チャンスは逃すな、という感じかな。よく言われることだけれど、エクレアのクリームを気にしながら食べるイメージのおかげでb 言いたいことがよく伝わるよ。
A:そうなの?私にとってエクレアはただ甘いものってイメージだから、人生はエクレアのように甘いって意味だと思っていたよ。
B:いや、さすがにそのc 解釈は間違っているんじゃないかな。人生が甘いだなんて、高校の先生がそんなメッセージは生徒に伝えないよ。
A:それもそうか…。あ、もしかしたら先生、堂々とそんなこと学校で教えられないから、比喩でそのメッセージを伝えようとしたのかも!
B:どうだろう、あの先生の口癖「人生をなめちゃだめ」だし。比喩ってなんか怖いな、自分の言いたいことが違う意味で、もしかしたらまったく逆の意味で理解されるかもしれないなんて。
A:でも、それだけ色々な意味が込められるところにこそ、比喩の価値はあるんじゃないかな。もしかしたら比喩を生み出すことのできるd 言葉そのもののすばらしさもそこにあるのかもしれない。
B:そういえば倫理の授業で古代の思想や宗教について勉強したとき、色々な比喩が出てきたよね。一緒に図書館に行って探してみようか。
*エクレア:細長いシュークリームの上にチョコレートをかけた洋菓子
下線部bに関連して、ギリシアの思想家たちによる、言葉に関わる活動についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問33(倫理(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、ある日の放課後に高校生AとBが交わしたものである。
A:うちの担任、a 比喩やたとえが好きだよね。今日のホームルームで言ってた「人生はエクレア*のようだ」って比喩の意味、どう思う?明日のホームルームで説明するからそれまでに意味を考えてくるよう言われたでしょ。
B:ぼんやり食べてるとクリームが垂れちゃうってことじゃない?チャンスは逃すな、という感じかな。よく言われることだけれど、エクレアのクリームを気にしながら食べるイメージのおかげでb 言いたいことがよく伝わるよ。
A:そうなの?私にとってエクレアはただ甘いものってイメージだから、人生はエクレアのように甘いって意味だと思っていたよ。
B:いや、さすがにそのc 解釈は間違っているんじゃないかな。人生が甘いだなんて、高校の先生がそんなメッセージは生徒に伝えないよ。
A:それもそうか…。あ、もしかしたら先生、堂々とそんなこと学校で教えられないから、比喩でそのメッセージを伝えようとしたのかも!
B:どうだろう、あの先生の口癖「人生をなめちゃだめ」だし。比喩ってなんか怖いな、自分の言いたいことが違う意味で、もしかしたらまったく逆の意味で理解されるかもしれないなんて。
A:でも、それだけ色々な意味が込められるところにこそ、比喩の価値はあるんじゃないかな。もしかしたら比喩を生み出すことのできるd 言葉そのもののすばらしさもそこにあるのかもしれない。
B:そういえば倫理の授業で古代の思想や宗教について勉強したとき、色々な比喩が出てきたよね。一緒に図書館に行って探してみようか。
*エクレア:細長いシュークリームの上にチョコレートをかけた洋菓子
下線部bに関連して、ギリシアの思想家たちによる、言葉に関わる活動についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- ソフィストが用いた弁論の知識や技術は、見掛けの背後にある真実を見いだすことを目的としており、しかもその真実はできるだけ多くの人々に説得的に伝えられることが重要だとされた。
- ソフィストによって広められた弁論の知識や技術は、真理の探究を目指すというよりも、都合に合わせて言葉を用いて、多くの人々を説得することを目指していた。
- ソクラテスは、人々と対話を重ねた結果、善美の事柄について彼らが自分よりもよく知っていると気づき、対話相手への尊敬の念を抱くようになるとともに、自らの無知を自覚するようになった。
- ソクラテスは、「ソクラテス以上の知者はいない」という神の言葉を受け取って、かえって自らの無知を自覚し、さらに人間が真実を追求することの無益さについて自覚することが重要だと説いた。
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「ソフィストによって広められた弁論の知識や技術は、真理の追求を目指すというよりも、都合に合わせて言葉を用いて、多くの人々を説得することを目指していた。」です。
紀元前5世紀頃のアテネの民主政治において、人々に政治的知識や弁論術を教えていた職業的教師のことを「ソフィスト」といいます。ソフィストは、真理よりも相手を説得して弁論に勝つことを重要視していました。
ソクラテスはこのようなソフィストの活動に危機感を抱き、対話を通じた真理の追求を世に広めようとしました。
不適切
ソフィストの目的は弁論で勝つことであり、真実を追求することは重要とされていませんでした。
適切
ソフィストの目的は弁論で勝つことであり、そのために政治的知識や弁論術が用いられました。
不適切
ソクラテスは、人々との対話を通じて、「善美の事柄について自分は何も知らない」ということに気づき、自らの無知を自覚するようになりました。
不適切
ソクラテスは、「ソクラテス以上の知者はいない」という神の言葉を受け取って、自身の無知を自覚し、さらにこの自覚を出発点として自ら普遍的真理を求めることが重要だと説きました。
ソフィストとソクラテスの活動の目的を対比させて覚えるとgoodです!
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