給水装置工事主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
給水装置工事法 問17

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問題

給水装置工事主任技術者試験 令和2年度(2020年) 給水装置工事法 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

配管工事の留意点に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
  • 地階あるいは2階以上に配管する場合は、原則として各階ごとに逆止弁を設置する。
  • 行き止まり配管の先端部、水路の上越し部、鳥居配管となっている箇所等のうち、空気溜まりを生じるおそれがある場所などで空気弁を設置する。
  • 給水管を他の埋設管に近接して布設すると、漏水によるサンドブラスト(サンドエロージョン)現象により他の埋設管に損傷を与えるおそれがあることなどのため、原則として30cm以上離隔を確保し配管する。
  • 高水圧を生じるおそれのある場所には、減圧弁を設置する。
  • 宅地内の配管は、できるだけ直線配管とする。

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この過去問の解説 (1件)

01

不適当なもの」を答える問題です。

選択肢1. 地階あるいは2階以上に配管する場合は、原則として各階ごとに逆止弁を設置する。

この記述が「不適当なもの」です。

「逆止弁」ではなく、「止水栓」が正しいです。

逆止弁(ぎゃくしべん)とは、逆流を防止するための弁のことで、気体や液体用の配管に取り付けてあります。水が逆流しようとすると、この弁が自動的に閉じるようになっています。

逆流がある可能性のある場所に設置します。例えば、ホースを引き出して使うタイプのシャワーは水の出る高さが変わるので、逆止弁を取り付けます。

止水栓は配管途中に設置して一時的に水を止めたり、水量を調節するものです。止水栓は、各給水管に設置されているので、水漏れが起こっている場所の水だけ止めるものです。余談ですが、水道の元栓というものも、止水栓に似たものですが、これは水道メーターに設置されているので、家全体の水を止めたいときは、元栓を閉めます。

選択肢2. 行き止まり配管の先端部、水路の上越し部、鳥居配管となっている箇所等のうち、空気溜まりを生じるおそれがある場所などで空気弁を設置する。

この記述は正しいです。

上越し(うわごし)」とは川や水路などの上を横断して通す管路のことです。

鳥居配管」とは、鳥居の形のように、配管が上がったあと、下がって凸の形に配管させたものをいいます。

配管の中に空気が入り込むことを、エア噛み、または空気溜まりといいます。空気が水より軽いため、凸部分に溜まってしまい、それを押し下げるためには、大きな力が必要になります。この空気溜まりがあると、水量の低下や、水圧の低下などが起こります。そこで配管上部に空気弁を設置します。こうすることで空気溜まりが発生せず、水が管路を無駄なく流れます。

選択肢3. 給水管を他の埋設管に近接して布設すると、漏水によるサンドブラスト(サンドエロージョン)現象により他の埋設管に損傷を与えるおそれがあることなどのため、原則として30cm以上離隔を確保し配管する。

この記述は正しいです。

この30cm(0.3m)以上離隔する、というのは空欄問題で出る可能性もあります。

サンドブラスト(サンドエロージョン)とは、水道管から水が漏れて噴き出した水が、その周りにある土砂などと混ざりジェット状になり、近くにある別の管にぶつかって、最終的に穴を開けてしまう現象のことです。なので、それが起こらないように、水道管と他の埋設物との距離を30cm以上離すようにしましょう。

選択肢4. 高水圧を生じるおそれのある場所には、減圧弁を設置する。

この記述は正しいです。

減圧弁とは、水道管を流れる水圧を一定に抑えて送るための調節弁のことです。減圧弁に入ってくる水の圧力を一次側圧力といい、出ていくときを二次側圧力といいます。

高水圧が生じるおそれがある場所とは、例えば、バルブが急速に開閉されて、配管内を流れる水のスピードが急に変わり、配管内の圧力も上がったり下がったりするような場所や、給水装置が配水管の位置よりも著しく低い箇所にある場合、直結増圧式給水で水を供給している建物の低層階部分、がこれに当たります。

ちなみに、直結増圧式給水とは、配水管の圧力だけでは届かないような高層の建物に、増圧ポンプを設置して、高層まで圧力で水を送ることができるやり方です。

選択肢5. 宅地内の配管は、できるだけ直線配管とする。

この記述は正しいです。

直線配管とは、わん曲、蛇行、斜行になる配管ではなく、直線になった配管のことです。ただし、下水管や下水ますなどの汚染している可能性がある管がある場合は、もし管が破損したときに水質汚染が起こらないように離して配管することになります。

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