給水装置工事主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
給水装置計画論 問32

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問題

給水装置工事主任技術者試験 令和2年度(2020年) 給水装置計画論 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

給水方式における直結式に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
  • 当該水道事業者の直結給水システムの基準に従い、同時使用水量の算定、給水管の口径決定、直結加圧形ポンプユニットの揚程の決定等を行う。
  • 直結加圧形ポンプユニットは、算定した同時使用水量が給水装置に流れたとき、その末端最高位の給水用具に一定の余裕水頭を加えた高さまで水位を確保する能力を持たなければならない。
  • 直結増圧式は、配水管が断水したときに給水装置からの逆圧が大きいことから直結加圧形ポンプユニットに近接して水抜き栓を設置しなければならない。
  • 直結式給水は、配水管の水圧で直接給水する方式(直結直圧式)と、給水管の途中に直結加圧形ポンプユニットを設置して給水する方式(直結増圧式)がある。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は「不適当なもの」を選択する問題です。

給水方式の直結式とは、配水管から、直接建物内に給水する方法で、増圧ポンプを使わず配水管の水圧で給水する直圧式」と増圧ポンプを使う増圧式」があります。

選択肢1. 当該水道事業者の直結給水システムの基準に従い、同時使用水量の算定、給水管の口径決定、直結加圧形ポンプユニットの揚程の決定等を行う。

この記述は「正しい」です。

揚程(ようてい)とは、ポンプによってくみ上げられる水の高さのことです。

選択肢2. 直結加圧形ポンプユニットは、算定した同時使用水量が給水装置に流れたとき、その末端最高位の給水用具に一定の余裕水頭を加えた高さまで水位を確保する能力を持たなければならない。

この記述は「正しい」です。

まず、「水頭(すいとう)」とは、平たく言うと、その水がどの高さまで噴き出すかを数字で表したものです。配水管の水頭が、例えば15mだとすると、その配水管に穴を開けた場合、水が15m噴き出すことになります。圧力が高い管だと、水頭も大きくなります。直結直圧式給水は、配水管の水圧を利用して給水するので、この水頭という概念が大切になります。

「余裕水頭」を説明するためには、まず「所要水頭」を説明しなければなりません。

所要水頭とは、計画している使用水分量の水を給水装置に流そうとしているときに、最低限必要となる水頭のことです。例えばその配水管の水頭が11mで、その給水装置の所要水頭が15mの場合、水は出ません。水を出すためには、配水管の持つ力が、給水装置から水を出すために必要な力よりも、大きい必要があります。

「余裕水頭」を説明するために、もう一つ、「損失水頭」を説明しなければなりません。

水を流すとき、管の中では摩擦が起こっています。これによって水の勢いは弱められエネルギーを失っています。また途中にある給水用具(止水栓など)を通ると、そこでもエネルギーが失われます。これらが損失水頭に当たります。

余裕水頭」は、「配水管の水頭」から、「所要水頭」と「損失水頭」を差し引いても、まだ残っている水頭のことです。余裕水頭があれば、計算上は水が出ることになります

選択肢3. 直結増圧式は、配水管が断水したときに給水装置からの逆圧が大きいことから直結加圧形ポンプユニットに近接して水抜き栓を設置しなければならない。

この記述が「不適当なもの」です。

この記述の中で「水抜き栓」が間違いです。ここは「逆止弁(減圧式逆流防止弁)」です。

水抜き栓」は、冬場に水道管が凍結する恐れのある地域で使われているしくみで、水道管から水を抜くためのものです。

逆止弁」は、逆流を防止するための弁です。

直結増圧式給水の場合、逆止弁(減圧式逆流防止弁)の設置が原則とされています。

選択肢4. 直結式給水は、配水管の水圧で直接給水する方式(直結直圧式)と、給水管の途中に直結加圧形ポンプユニットを設置して給水する方式(直結増圧式)がある。

この記述は「正しい」です。

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