給水装置工事主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)
公衆衛生概論 問3

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問題

給水装置工事主任技術者試験 令和5年度(2023年) 公衆衛生概論 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

水道において汚染が起こりうる可能性がある化学物質に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は、窒素肥料、腐敗した動植物、家庭排水、下水等に由来する。乳幼児が経口摂取することで、急性影響としてメトヘモグロビン血症によるチアノーゼを引き起こす。
  • 水銀の飲料水への混入は工場排水、農薬、下水等に由来する。メチル水銀等の有機水銀の毒性は極めて強く、富山県の神通川流域に多発したイタイイタイ病は、メチル水銀が主な原因とされる。
  • ヒ素の飲料水への混入は地質、鉱山排水、工場排水等に由来する。海外では、飲料用の地下水や河川水がヒ素に汚染されたことによる慢性中毒症が報告されている。
  • 鉛の飲料水への混入は工場排水、鉱山排水等に由来することもあるが、水道水では鉛製の給水管からの溶出によることが多い。特に、pH 値やアルカリ度が低い水に溶出しやすい。

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この過去問の解説 (1件)

01

以下に解説します。

選択肢1. 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は、窒素肥料、腐敗した動植物、家庭排水、下水等に由来する。乳幼児が経口摂取することで、急性影響としてメトヘモグロビン血症によるチアノーゼを引き起こす。

硝酸態窒素および亜硝酸態窒素は、窒素肥料、腐敗した動植物、家庭排水、下水などから水源に混入する可能性があります。

乳幼児がこれらを経口摂取すると、メトヘモグロビン血症を引き起こし、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる症状)を発症することがあります。

これは一般に「ブルーベビー症候群」とも呼ばれ、国際的にも知られた現象です。

選択肢2. 水銀の飲料水への混入は工場排水、農薬、下水等に由来する。メチル水銀等の有機水銀の毒性は極めて強く、富山県の神通川流域に多発したイタイイタイ病は、メチル水銀が主な原因とされる。

水銀の飲料水への混入は、工場排水、農薬、下水などに由来することがあります。

メチル水銀などの有機水銀は、毒性が極めて強いことが知られています。

しかし、富山県の神通川流域に多発したイタイイタイ病は、メチル水銀が主な原因ではありません。

イタイイタイ病の原因物質はカドミウムであり、カドミウムによる慢性中毒が骨軟化症や腎障害を引き起こしました。

したがって、この記述は誤りです。

選択肢3. ヒ素の飲料水への混入は地質、鉱山排水、工場排水等に由来する。海外では、飲料用の地下水や河川水がヒ素に汚染されたことによる慢性中毒症が報告されている。

ヒ素の飲料水への混入は、地質(自然由来)、鉱山排水、工場排水などに由来します。

特に海外では、地下水や河川水がヒ素に汚染され、それを飲料水として使用した結果、慢性ヒ素中毒症が発生しています。

例として、バングラデシュインドで深刻な問題となっています。

選択肢4. 鉛の飲料水への混入は工場排水、鉱山排水等に由来することもあるが、水道水では鉛製の給水管からの溶出によることが多い。特に、pH 値やアルカリ度が低い水に溶出しやすい。

の飲料水への混入は、工場排水、鉱山排水などに由来することもあります。

しかし、水道水における鉛の汚染は、鉛製の給水管や鉛を含むはんだからの溶出によるものが多いです。

pH値やアルカリ度が低い水は、鉛の溶出を促進するため、より注意が必要です。

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