看護師の過去問
第103回
午前 問57

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問57 (訂正依頼・報告はこちら)

老人性皮膚搔痒症(pruritus senilis)について正しいのはどれか。
  • 感染が原因である。
  • 高温多湿な夏季に多発する。
  • 硫黄入り入浴剤の使用で改善する。
  • 入浴後に保湿クリームの使用を勧める。

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この過去問の解説 (3件)

01

老人性皮膚搔痒症は、加齢とともに角層の水分保持機能が低下し、皮脂の分泌が少なくなることから皮膚が乾燥し、痒みがあります。掻くと白い落屑があります。

1 . 感染が原因である。
×不正解
原因は加齢による水分保持機能低下と皮脂分泌量の低下です。よって、不正解です。

2 . 高温多湿な夏季に多発する。
×不正解
多湿だと、皮膚に湿り気を与えるので、痒みが治まります。特に乾燥する冬によく起こります。よって、不正解です。

3 . 硫黄入り入浴剤の使用で改善する。
×不正解
皮膚が乾燥し、弱くなっている状態で硫黄入りの入浴剤を使用すると、炎症を起こして赤くなったり、掻痒感が悪化する可能性があります。よって、硫黄入りの入浴剤の使用は避けるように指導します。よって、不正解です。

4 . 入浴後に保湿クリームの使用を勧める。
〇正解
温かいお湯につかると、皮膚の乾燥が悪化する可能性があります。しかし、入浴できれいになった皮膚に保湿クリームを使用することで、掻痒感が軽減されるとともに皮膚の状態も改善されます。よって、正解です。

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02

老人性皮膚掻痒症は、発疹を伴わずに痒みだけがあらわれる疾患です。
加齢に伴い、皮膚の角質層が水分を保てなくなり、皮脂も減少するため、それらに伴い乾燥し、痒みを伴うことが原因です。
下肢や腹部などに好発し、発疹がなくかゆみだけ、というのが特徴ではありますが、かきむしってしまうために、二次的に発疹が出現する場合もあります。その他、かきむしったことによる傷があったり、発赤などの色調の変化があったります。

1.上記のように、感染が原因ではなく、乾燥が原因です。よって間違いです。
2.高温多湿な夏場よりは、乾燥する冬場に起こりやすいでしょう。
3.硫黄入りに入浴剤は刺激が強く、不適でしょう。入浴剤を用いるなら、保湿効果のある入浴剤が良いでしょう。全身の乾燥や、外用薬がなかなか塗布できないなどの場合では、入浴剤は手軽に使用できますが、保湿用入浴剤を用いた入浴では滑りやすくなるため、転倒事故に注意が必要です。
4.入浴後に保湿剤を使用するのが、一番の対処法です。

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03

加齢によって、皮脂や角質の水分保持機能が低下することにより、老人性皮膚掻痒症が発現します。加齢による乾燥が原因なので、1は不正解です。また、乾燥を助長するような処置は不適切なので、3硫黄入り入浴剤では、刺激が強く、かえって乾燥してしまいます。そのため、入浴後は保湿クリームを使用するなど、乾燥を防ぐ処置が必要なので、3は不正解、4が正解です。
なお、季節的には空気が乾燥する冬の方が乾燥しやすく、高温多湿な夏は乾燥しにくいです。したがって、2は不正解です。

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